2024.02.16

認知症の「グループホーム」って何だろう?  ── 認知症の方同士で「支え合う」暮らし

認知症の「グループホーム」って何だろう?  ── 認知症の方同士で「支え合う」暮らし

認知症の症状が表れ始めたとき、ご本人もご家族も、今後の暮らしがどうなるか、どうすればいいのか、不安になることと思います。 今回は、そうした中での選択肢の一つにできる、グループホームについて解説します。

1.認知症の方が入居する「グループホーム」

日本国内で公的支援が受けられる「グループホーム」には、障がいのある方向け、認知症の方向けの2種類があります。

このうち認知症グループホーム、正式名称「認知症対応型共同生活介護」は、認知症の方々が少人数(5~9人)で共同生活を送れるよう、施設で専門的なケアやサポートを提供するサービスです。

この認知症グループホームを利用している方は、令和4年4月時点で21万4,000人(※1)。大勢の方が利用していることもあり、「グループホーム」と言えば、認知症対応型の施設を指す場合が多いようです。

このコラムでも、以降は認知症対応型の施設を「グループホーム」と表現します。

2.入居対象者は、施設がある地域にお住まいの方

グループホームに入居できるのは、施設の所在地と同じ市町村に住民票がある方です。

さらに、要支援2、または要介護1~5に該当する方、かつ、医師による認知症の診断が出ていて、診断書を提出できる方が対象者となります。

3.グループホームって、どんな施設?どんな暮らし?

では具体的に、グループホームとはどんな施設で、入居者の方たちはどのように暮らしているのでしょうか。

 

利用者は住み慣れた地域にある施設で、同じ症状を持つ方たちと共同で生活します。症状の度合いや健康状態などに個人差はあるものの、可能な範囲で生活に伴う暮らしの家事も各自で担当します。その際、介護スタッフが必要なサポートや働きかけを行います。

 

たとえば、スタッフと一緒に調理をする、居室の掃除や洗濯ができる方はそのタイミングを伝えてもらう、共有部分を入居者が一緒に手入れする、などです。さまざまな手助けを得ながら、入居者がともに自立を目指しつつ、暮らしていきます。

4.入居者にとってのメリット・デメリット

ほかの形態の高齢者施設と比べると、グループホームは入居人数が少ない分、スタッフを含めアットホームな空間で、密なコミュニケーションをはかることができます。

これが入居者にとって、良い刺激となることが期待されます。

 

また、さまざまな作業や行動に対し、居住者は「やる・やらない」を自由に選択できます。

時間の過ごし方や自身のケアについて、時間的・心理的ゆとりを持てる生活と言えます。

 

共同作業でも、居住者同士の自然な声かけから一緒に行うことはありますが、強制ではありません。参加したい人がスムーズに参加できるよう、スタッフが見守り、調整します。

居住者の共同作業の例としては、庭や畑の手入れといった土をいじる作業、食事やおやつ作りなどの調理作業、洗濯ものを干すなどの衛生管理作業が挙げられます。

これらへの自発的な参加は、居住者の生活意欲を高める効果が期待できます。

 

さらに、認知症のケアに特化したサービスを受けることで、認知症の進行を多少なりともやわらげる効果が見込まれており、特に軽度の認知症の方にとっては入居のメリットが高いと言われています。

実際、利用者個人の感覚や暮らし方が、施設の運営手法や入居者同士の交流、スタッフの対応などとマッチした場合に、認知症の進行を遅らせることができた、あるいは認知症が改善して自立生活の範囲が徐々に広がった、といった事例が報告されています。

 

一方で、グループホームは共同生活の場であるため、「他者と交流するのは苦手、いつも一人で静かに暮らしたい」という方には、あまり向いていないかもしれません。

また、入居者同士の距離が近いため、相性が合わない場合、感情のすれ違いによるトラブルが起こることがあります。認知症で感情のコントロールがうまくできなくなることの影響もあるのですが、施設のケアの工夫でトラブルを防ぐことも可能です。トラブルが起きた時にどのような対応をとるのか、入居前に施設に確認しておきましょう。

もう1点、グループホームでは看護師の配置義務がないため、看護師が常駐しない施設では、長期に渡る毎日の医療ケア等で医療依存度が高くなった場合、退去を検討せざるを得ない可能性があります。

5.施設選びのポイントは?

施設によって運営方針や入居者の要介護度等が違うため、実際のケア状況も異なってきます。

各施設は、居住者への刺激の種類・機会を増やすため、共同作業やレクリエーションの内容を工夫したり、外出機会、地域住民との交流機会を増やすなど、さまざまな特色があります。

 

ただ、こうした共同作業やレクリエーション等は、すべての施設で行われているわけではありません。

そのため、施設を探すときには、ホームページやパンフレットなどで情報を得るだけでなく、ぜひ足を運んで見学することをお勧めします。

 

施設の運営方針や暮らし方について質問・相談してみたり、居室内や共同スペースの雰囲気、職員や他の入居者の様子を実際に知ることで、入居を希望する方の今後の暮らしぶりが具体的に想像でき、理解も深まるかと思います。

 

最後になりますが、ケア21でも「たのしい家」というグループホームを各地で運営しています。

見学をしたい、資料を送ってほしい等ご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

 

※1 出典:厚生労働省 老健局 社会保障審議会 介護給付費分科会 第218回 資料4「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」 令和5年6月28日

 

 

ケア21の「介護なんでも相談室」は、介護に関するお悩みをお持ちの皆様からのご相談を、簡単な登録のみで無料でお受けします。

最後までお読みいただきありがとうございました

執筆・監修者

管理者

竹本さん

管理者

竹本さん

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