2026.06.19

高齢者に多い『かくれ脱水』とは?症状と水分補給のポイント

高齢者に多い『かくれ脱水』とは?症状と水分補給のポイント

「飲んだよ」が本当に飲んだとは限らない これは脱水で入院し、退院後の水分補給に悩む家族の話

81歳の武さんは脱水により入院していました。

退院時、医師からは「しっかり水分を摂ってくださいね」と言われましたが、自宅に戻ると以前と変わらずほとんど飲んでいませんでした。

「お父さん、お茶飲んだ?」と聞くと、いつも

「あぁ飲んだ。」と答えます。

しかし朝からおいてあるコップを見てもほとんど減っていません。

妻の冨子さんが何度声をかけても、

「今はいらん」

「さっき飲んだ」

「喉は渇いてない」

という返事ばかり。

武さんに認知症はなく、会話もしっかりしています。

だからこそ、無理にすすめることもできません。

これではまた入院になってしまうのではないか、と不安になった冨子さんから話を聞いて心配した息子夫婦と共に連絡を受けた相談員も話し合いに加わりました。

 

 

そもそもなぜ高齢者は水分を摂りたがらないのか?

実は武さんのような方は少なくありません。

加齢とともに喉の渇きを感じにくくなるので、必要だと気づかないことが多いです。

さらに、

・トイレが近くなると困る

・こまめに飲むという習慣がもともとない

・お茶や水がおいしいと感じない

といった理由から、水分摂取量が不足しやすくなります。

武さんの場合は若い頃から水分をあまり摂らない生活をしていました。

かつては昼間はコーヒー、それに晩酌を楽しみにされていましたが、何度かの入院で主治医から禁酒を指示されました。

 

 

「何を飲むか」より「どう飲むか」

「どうして飲まないの?」と質問されるも武さん本人としては飲めていると思っており、なかなか話し合いはすすみませんでした。

そこで、話を聞いていた相談員の方が、武さんに質問しました。

「好きな飲み物や好きな果物はありますか?あと、苦手なものもお聞き出来たら嬉しいです。」

「酒とコーヒーは好きだが、甘いものはあまり飲んだことがない。それに、温い水は飲みにくい。かあさんが食事の時に入れてくれる茶はうまいんだが、量が多くて飲み切れなくてな。果物か、そうだなスイカは昔よく食べたなぁ」

という本音が聞けました。

もっと飲んでほしい。という思いから何度も声を掛けてしまう。

それでも一度にたくさん飲むのは難しい。元々あまり水分をたくさんとらない人にとっては苦痛になってしまいます。

まずは、一度にたくさん飲むのではなく、少しだけを回数を多く増やすことで一日の水分摂取量を増やすことができます。

 

 

*本人の好みを尊重することが大切

そこで、

・温かいお茶

・ノンアルコール飲料

・薄めに入れたコーヒー

・みそ汁などの汁物

・スイカのような水分の多い果物

などを試してみることも重要です。

水分補給は「水だけ」である必要はありません。

また、武さんは湯呑みにいれる量を以前の半分にすることで、飲み切れるようになりました。

それに、昼食と夕食の間に冨子さんとふたりで果物を食べるようになったそうです。

 

 

★家族だけで抱え込まないことが重要

 

 

脱水は目に見えてわかるものではなく、症状が出てからでは命にかかわることもあります。

一方で、毎日「飲んで」「飲まない」のやり取りを続けると本人も家族も疲れ果ててしまいます。

水分摂取ができないときは、かかりつけ医や訪問看護師などに相談しながら、声掛け一つ、見た目を変えるだけでも成果が出ることもありますので、本人に合った方法を一緒に考えていくことが大切です。

水を飲むことが目的ではなく、元気に暮らすことが一番の目的だからです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

コラムニスト

北田さん

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