2024.11.22

要介護認定を拒否する高齢の親への対応について:気持ちに寄り添いながら勧める方法

要介護認定を拒否する高齢の親への対応について:気持ちに寄り添いながら勧める方法

 介護支援(介護保険サービス)を受けるためには、まず要介護認定の申請を行い、要介護認定調査を受ける必要があります。ところが、高齢の親に介護支援が必要となり、要介護認定を受けてもらおうとしても、本人に強く拒否されてなかなか申請が進まないというご相談を、よく承ります。 ここでは、高齢者が要介護認定を拒否する理由や、家族はどのように対応すればいいかを、考えていきます。

高齢者がどうして要介護認定を嫌がるのか

 要介護認定の申請や介護支援を、高齢者の方が拒否するのはなぜでしょうか。一般的には、次のような理由があると考えられています。

 

 

要介護認定を拒否する理由


 介護保険制度は2000年に始まりましたが、実はまだまだ介護保険制度についてご存じない方が多くいらっしゃいます。
実際、親や親戚に介護が必要になって初めて、介護保険や介護サービスを意識される方が多いのではないでしょうか。

高齢者とその家族が、介護保険について「仕組みやサービスをよく知らない」ことがまず、何らかの先入観や不安をもたらす一因になっていると考えられます。

1.介護サービス(他者から介護を受けること)への抵抗感


高齢になる、病気にかかる、などによる身体機能の低下で介護が必要になっても、その状況自体を受け入れられない人がいます。
「まだ、私は自分でできるのに」「人の世話になんかなりたくない(恥ずかしい)」「年寄り扱いしないで」などと言って拒否される人もいます。特に、これまで「何でも自分で頑張ってきた」と自負されている人には、こうした傾向が強いようです。

 

2.自由な時間や自立心がなくなるように感じる


介護サービスを受けると、ヘルパーさんの訪問やデイサービスへの通い、ケアマネジャーの訪問などによって自分の自由な時間が減ってしまう、と感じることや、誰かの手を借りると「自立した生活ができない」と考えてしまうことがあります。

 

3.要介護認定=(イコール)施設入所になると思い込んでいる


要介護認定を受けることを「施設や病院への入所の準備」と捉える人もいます。そのせいで、要介護認定の話をするだけでも「自分を追い出そうとしているだろう!」「自分の面倒を見たくないのだ!」などと誤解して、認定申請を拒否されてしまいます。

 

4.手続きそのものを煩わしいと感じる


もともと、書類を読んだりするのが嫌いな人は、「そんなに手間がかかるの?」「ちょっと助けてほしいだけなのに。そんなに面倒なら、いらない」などと言って拒否されます。要介護認定の申請や調査などの手続きが、わずらわしい作業に感じられるようです。

 

5.家族との関係性


遠慮がちな性格の人だと、介護支援を受けて今の生活に他人が関わると、自分の家族へ面倒をかけてしまうと感じられることがあるようです。逆に、家族に甘えたい、家族のほうが気楽だからと考え「他人でなく自分の家族に介護してもらいたい」と感じる人もいます。

 

6.経済的な不安


ご自身の年金や貯蓄が少ないため介護費用の支払いを心配し、利用をためらう人も少なくありません。

 

 

*ご家族の気持ち*

 高齢の親が、介護認定調査や介護サービスの利用を拒否する状況は、ご家族にとって大きな問題です。

介護が必要な状態が一時的なものであれば、ご家族で支援することも可能かもしれません。けれども、その状態が長期間続くようであれば、高齢者ご本人の健康状態や生活の心配だけでなく、支えるご家族の仕事の状況や人間関係、暮らしへ方の影響、介護負担についても検討・対応していく必要があります。

とはいえ、その状況で高齢者ご本人に無理強いをしてしまうと、お互いに気持ちが傷ついたり、家族関係が悪くなる可能性もあります。
そして、そのような状況で介護サービスを開始しても、支援がスムーズにいかなくなり、支援継続が難しくなることもあります。
そのため、焦らず、慎重に進めることが大切です。

 

 また、親の介護の話は、できるだけ初期のうちから、家族みんなで話し合うようにすることをおすすめします。
家族の誰かが離れて暮らしていても、できれば電話やWebを使って話し合いに参加してもらいましょう。

親に要介護認定を勧めるところから家族が一緒に考える場を設定しておくことで、これからの介護生活についても、スムーズな話し合いがしやすくなります。

自分が感じている親のイメージと、他の家族が感じる親のイメージが違うこともあります。この機会に家族でじっくり話し合ってみると、自分の考えとは違う別の角度から、今の状況を捉え直し対策を検討できるかもしれません。

 

さらに、家族間の関係性を考慮してみて、立場的・あるいは性格的に「皆へ意見が伝わりやすい存在」の人がいれば、その人をまじえて介護認定のことや今後の生活の仕方を提案してもらうのも、一つの方法です。
そういう立場の人が話し合いをサポートすることで、家族内の現状・問題点の認識、解決方法などが一致することや、認定手続きの受け入れがスムーズにいく場合もあります。親戚などの身近な方、外部の専門家など、協力者を検討してみましょう。

 

 

では具体的に、どのような点に気をつければいいでしょうか。

 

 

高齢者の気持ちに寄り添う

 

1.嫌だという気持ちや理由をしっかりと聞く


まずは、ご本人が介護認定や介護支援を受けたくない理由や思いを、とにかくしっかり、否定せずに聞き取ってみましょう。

ご本人にとっても、自分の思いを言葉にし、状況や気持ちを整理することで、現状や今後の生活を、少しイメージしやすくなるかもしれません。

 

2.不安や誤解を取り除き、メリットを伝える


介護保険制度や介護サービスに関する誤解があるようであれば、できるだけ早めに解いておきたいところです。

要介護認定を受けたからと言ってすぐ介護支援を受ける必要はないこと、ましてや施設入所や入院が即決するわけではないことをていねいに説明し、不安を取り除いてあげることが必要です。

 

また、介護サービスには、訪問介護や通所介護など人の手(助け)を直接、借りるものだけでなく、住宅改修や福祉用具の貸与・販売など「自宅での現在の生活」を継続していく環境をつくるサポートもあることも理解してもらいましょう。

訪問介護や通所介護には抵抗感があっても、福祉用具の利用や住宅改修については、わりと受け入れやすい人もいます。


特にどうしても認定を受けてもらうことが必要な場合、ご本人が受け入れやすい支援から提案するのは一つの方法です。この例で言えば、住宅改修や福祉用具貸与が介護保険の利用によって1~3割の費用負担で済む点は、とても大きな、具体的なメリットです。このようなメリットになる情報を探していくつか伝え、理解してもらえれば、介護認定調査を受けるきっかけが生まれます。

 

3.ともに、ゆっくり考える


緊急性のある場合を除き、今後の生活を「どうしていくか」について、ご本人と一緒にていねいに考える姿勢が大切です。スピード解決を求めるのでなく、ある程度は時間をかけるつもりで対話しましょう。言い争わずに対話することで、今後の生活についてお互いがじっくり考えながら話し合うことができます。

 

介護保険サービスの「利用」においては、ご本人の意思や気持ちが尊重されます。
けれども、介護の身体的・心理的・金銭的な「負担」では、ご家族全員の思いや都合、それぞれの生活について、「お互いが配慮」することが必要で、それはとても大切なポイントでもあります。

家族の誰かが、介護のために仕事や収入を不本意な形で失ってしまうと、以降の暮らしが不安定になります。また、介護疲れで家族が心身共に疲弊し、健康を害してしまうのも、本末転倒と言えます。

介護保険制度や介護サービスは、誰かの世話になるのでなく、自分に必要な支え(支援)を得て、自立した生活を送るために使うものなのだということを、できる限りご本人のペースに合わせて理解してもらうことが重要なのです。

 

 

 要介護認定に関することは、介護を受けるご本人の居住地にある、地域包括支援センターにも相談できます。介護保険制度や介護サービスについても、地域包括支援センターや市区町村の自治体などでサポートを受けられます。介護に詳しい第三者の視点から、よい解決策が見つかる可能性がありますので、上手に利用していただければと思います。

 

 

 





 

 


 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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