2024.04.16

腰痛予防! 在宅介護で腰を痛めないための3つのポイント

腰痛予防! 在宅介護で腰を痛めないための3つのポイント

腰痛は病気やけがによる自覚症状として、男性では第一位、女性では肩こりに次いで第二位となっています(厚生労働省の調査による)。 また、腰痛は、介護をされている方にとっても悩みの種といえます。 ここでは、とくに在宅介護で腰を痛めないための3つのポイントをご紹介します。

目次
  1. 腰痛予防のための3つのポイント  
    ○正しい姿勢を意識する
    ○環境を整える(福祉用具の活用)
    ○心と身体のケア
  2. まとめ

腰痛について

 腰痛は、原因が特定できる特異的腰痛と、医療機関で検査をしてもはっきり原因が特定できない非特異的腰痛の2つに分けられます。

特異的腰痛は全体の15%で、その主な原因は、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、圧迫骨折や感染性脊髄炎、がんの転移や内臓疾患です。

腰痛のほとんどが、残り85%の非特異的腰痛で、いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる急性腰痛も非特異的腰痛になります。原因が不明のものが多いため、慢性化しやすいのが特徴です。

1.腰痛予防のための3つのポイント

  介護の動作には、腰に負担がかかる「前屈み」や「中腰」、「身体をひねる」といった動きが多く、介護の内容によっては長時間同じ姿勢でいることもあります。

そのような腰への負担が積み重なると腰の筋肉や関節が疲労し、腰痛発症のリスクが高くなります。

 

正しい姿勢を意識する

 まず、介護などの動作をする時に姿勢を意識することで、腰への負担の軽減が期待できます。

とくに介護の場合、基本的に身体の重心(骨盤のあたり)を低くし、足元を広めにとって姿勢を安定させることが大切になります。

介護者の姿勢が安定していると、ご本人(介護を受ける対象者)は安心して身体を任せることができるため、介護が行いやすくなります。

 

介護時の正しい姿勢については、ボディメカニクスという介護技術があるので、それを参考にするとよいかもしれません。

「ボディ=身体」、「メカニクス=力学」という名前の通り、人間が身体を動かすときに、関節や骨格・筋肉の動きがどのように関係し合うか、科学的(力学的)に分析し、その関係性を活用して最小限の力で介護を行う技術です。

 

さらに、介護者は対象者に声をかけながら介護をすることが大切です。

 

他者から黙っていきなり身体に触られたら誰でも、驚きや不安を感じるのではないでしょうか。

何の目的で今からどのような動き(介助)をするのかを伝え、自分でできる動作については自身で行ってもらうか、または協力動作をしてもらうことで介助がより楽になるうえ、ご本人の自立支援への働きかけにもなります。

環境を整える

  介護ベッドの脇などを整理して、周りの環境を整えることは、介護の際に正しい姿勢を維持するための大きな助けになります。

身体を安定させるためには、ある程度のスペースが足元や周辺に必要です。

このスペースを確保できるよう、不要なものはなるべく置かないようにすることや、スペースに余裕がない場合は介助に必要なものを周りにあらかじめ準備しておいて無理な姿勢を取らずに済むようにすることなども、介護を楽にするコツといえます。

 

とはいえ、介護者の工夫や努力だけで腰への負荷を軽減するのには限界があります。

最近は、多くの福祉用具が研究開発されていますので、それらを積極的に利用することも、腰痛予防や介護の負担軽減に効果的です。

 

例えば、ベッド上でのオムツ交換等の際には、前屈みや中腰の姿勢にならないよう、ベッドの高さを簡単に変えられる特殊寝台(電動ベッド)の利用がお薦めです。

要介護2以上の方であれば、介護保険でのレンタルが可能です。要介護1や要支援の方の場合、原則、自費レンタルとなります(一定の条件のもとで例外的貸与が認められることもあります)。

ベッドから車椅子への移乗も対象者を持ち上げず、水平に移動ができるようベッドの高さを調整します。

状況によっては、移る先を低めに設定することで、介助がより楽になることもあります。

 

また、入浴の際にはシャワーチェアーや手すり、バスボードなどの補助具を利用すると、ご本人の姿勢を安定させられるため介護者が楽に介助できるようになります。

こうした福祉用具については、住宅の状況や介護者、対象者の身体状態などに合わせた検討が必要になるので、ケアマネジャーや福祉用具専門員に相談してみてください。

心と身体のケア

 腰痛は、ストレスによっても引き起こされると言われています。特に慢性腰痛には、ストレスが大きく関わっていると考えられています。

ストレスにより脳の働きの一部が弱くなって、痛みを和らげるための物質が放出されにくくなることがあります。すると、血行不良により筋肉の血流も悪くなります。また、ストレスは筋力の低下も招いて、正しい姿勢の維持に影響することがあります。

 

介護のストレスは、介助行為の負担だけでなく、金銭的な負担、他の家族への配慮、介護者の寝不足や時間を拘束されている感覚、介護者の将来への不安など、さまざまな要素から溜まっていきます。

それらを一気に、すべて解決することは難しいですが、あきらめてしまわず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。

 

特に、睡眠不足は心身への影響が大きいため、改善を目指す価値は大いにあります。

また、気分転換に外食したり、友人とおしゃべりをする、好きな本や音楽を楽しむなどで自身のための時間を持つことも、ストレス解消に効果的です。

 

さらに、身体のケアとして適度な運動をすることも、ストレスの解消につながります。

ストレッチや腰痛体操、ウォーキングなど自分のレベルに合わせて過度にならない程度に続けるよう心がけてください。

無理な運動は、身体を痛めてしまうかもしれず、新たなストレスの原因になる可能性もあります。

ただし、腰痛で医療機関を受診している方は、必ず主治医と相談のうえ行うようにしてください。

 

厚生労働省の「転倒・腰痛予防 いきいき健康体操」にもいろいろな体操が掲載されています。

 

2.まとめ

介護負担の軽減には、今までのべたように身体の使い方を練習する、福祉用具を利用する、それ以外には訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを利用する方法もあります。

 

介護による腰痛を予防するポイントは、日常生活や仕事での腰痛予防にも当てはまることが多いので、普段から活用してみてください。

正しい姿勢を意識するとともに、何より、自分一人の力で頑張りすぎないことを心がけましょう。

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参照:

日本理学療法士協会 理学療法ハンドブックシリーズ③腰痛 第2版 PDF

https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook03_whole_compressed.pdf

厚生労働省 社会福祉施設における安全衛生対策マニュアル 腰痛対策 PDF

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf

厚生労働省 介護業務で働く人のための 腰痛予防のポイントとエクササイズ

腰痛予防エクササイズ ①第 7 章  ~職場で簡単にできるストレッチング~

https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001103960.pdf

公益財団法人 テクノエイド協会 VOL.15 腰を痛めない介護・看護

https://www.techno-aids.or.jp/research/vol15.pdf

厚生労働省 キャリアアップ応援プログラム

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701054.pdf

厚生労働省 2019 年 国民生活基礎調査の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf

厚生労働省 腰痛予防対策 PDF

https://www.roudoukyoku-setsumeikai.mhlw.go.jp/briefing/20220825/a88affd1ae3445c4b59f2657232da627.pdf

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竹本さん

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