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2024.08.16
安全な歩行のために:高齢者のための靴選びのポイント…自分の足に合う靴で、足のケガや転倒を予防!
健康維持のための運動方法はいろいろありますが、「歩く」ことは一番身近で、手軽にできる運動ではないでしょうか。 ここでは、高齢者の安全な歩行の大切なポイントとして、「自分に合った靴選び」の方法をご紹介し ます。
日々、健康で暮らすために「自分自身で歩ける」ことが、とても大切です。
厚生労働省も健康日本21(第3次)において「長期的には、10分程度の歩行を1日数回程度行うくらいでも、健康上の効果が期待できる」*1)としています。
安全で安定した歩行には、下肢筋力だけでなく、足部(足首から足の先)の役割も重要です
とくに高齢になると足部に、痛みやむくみ、タコ、外反母趾など何かしらのトラブルを抱えている人は少なくありません。
足部にトラブルがあると、身体全体をしっかり支えることが難しくなります。
加齢によって、手や爪の色や形、髪の毛の質、体形が変わるように、個人差はあるものの、足の形やサイズも変わります。
歩行時に違和感があるにも関わらず、今までと同じ靴を履き続けると、足元をしっかり支えることができない可能性があります。
その場合、すねやふくらはぎ、アキレス腱(けん)、膝などに影響を与え、それがやがて首~腰全体のバランスの悪化も招いて、ゆがみ、痛みなどを引き起こすかもしれません。
そしてバランスが崩れると、歩行が不安定になり、転倒のリスクが高くなります。
今の身体状態や症状に合った靴を履くことは、トラブルを防ぎつつ自身の身体を健康・安全に保つうえで、とても大切です。
靴を選ぶときには、「歩行の負担が軽減される軽めのもの」「足元をきちんとカバーする形状のもの」「足の甲や足指、かかと、足首などへの負担が少ないもの」を選ぶようにしましょう。
また、購入時にはできるだけ試着して、以下の点をチェックしていきましょう。
【サイズ】
足にきちんとフィットするものを選びます。複数の靴を試着して、安定度、歩きやすさ、足への触れ具合、床の踏み心地などを確かめましょう。
【足のサイズの測り方】(正確な測定は、販売員や福祉用具専門員にご依頼ください)
(A)足の幅
(B)足の長さ
(C)足囲
(A)足の幅
足の幅を測るのは、足の甲側でも足裏側でも構いません。
各つけねの出っ張り部分の間を「正確に、直線で」測ります。
甲のカーブなどに沿わせたり、曲げたりせず、図のように端から端を、直線距離で測りましょう。
(B)足の長さ
足の長さは、「かかと」から「最も長い指」の指先までを、足の幅と同じように直線距離で測ります。
もし、最も長い指の関節が変形し曲がっているようであれば、曲がっている指の根元までを直線で測って、指の部分の長さのみ、曲がり具合に沿った曲線で測りましょう。
(C)足の甲~裏:最も広い部分の、一周分の長さ(足囲)
足囲とは、写真にあるように、足の幅で測った「最も広い部分」の周囲を、ぐるりと測った長さです。
親指側・小指側の出っ張り部分を通過させながら、1周の長さを測りましょう。
椅子や床に座り、細く柔らかいメジャーや、糸を足に巻いて重なる部分に印をつけるなどすれば、測りやすいと思います。
とくに「足囲」は、ゆるすぎると外反母趾などのトラブルに、小さすぎるとマメや靴ずれ、脱ぎ履き時の困難さにつながります。
そして、靴を履いた状態で、履き口と足の隙間が5mm~1cm、つま先部分を上から押して1cmほど、ゆとりがある靴が良いとされます。
また、自身の足トラブルを無理なくカバーできるか確認しましょう。たとえば足にむくみがある場合、それが強く出やすい時間帯(夕方など)に試着し、幅広や甲高がある人なら、足への当たり具合、ひもやベルト等の固定具合、中敷きを外して調節できるかなどを見ます。
【かかとの高さ・形状】
かかとの高さは、基本的にフラットか、高さ1~2cm程度でかかと全体を支える形状のものが安心です。
スリッパ型サンダルやビーチサンダルなどは、クッション性が弱いうえ脱げやすく、歩き方がすり足気味になって、転倒しやすいため、高齢者の歩行には不向きです。
【靴底の素材】
靴底は、滑りにくいものを選びましょう。靴裏の溝が深いもの、素材自体に凹凸があって滑り止めの役目を果たすものがおすすめです。
一方で、滑りやすい靴からしっかりした滑り止め付きの靴に変えた場合、最初のうち歩行時にストップが効きすぎて、転倒することもあります。
しばらくは近所を散歩するときのみ履くなどして、少しずつ慣れるようにしましょう。
【生地、素材】
靴の生地・付属品の素材などにも注意が必要です。たとえばむくみがある人は、履いているうちに固い生地や素材が足を傷つけるかもしれないので、足全体を支えつつ内側・外側ともに柔らかめの素材の靴が向いています。
【脱ぎ履きが楽に行える】
足腰の状態や、脱ぎ履きする時の姿勢を考えて、自身が楽に脱ぎ履きできるものをおすすめします。
上記のポイントに重点を置いた靴として、「高齢者用靴」「リハビリ靴」があります。
「高齢者用靴」「リハビリ靴」は、一般靴店ではあまり見かけませんが、機能面を考えた高齢者向けの靴になります。
基本的に足へしっかりフィットし、足全体をカバーするように設計されているものが多く、靴の脱ぎ履きも楽です。
一部、「外反母趾用」など足の状態に合わせたものや、形状等に合わせてパーツをオーダーメイドできるタイプもあります。
一方、デメリットとしては、一般の靴より高価格帯になること、足元の守りを優先するため、どうしてもデザイン面で一定の偏りがあることが挙げられます。
しかし最近は、多色展開やデザイン性を高めた商品も販売されています。
こうした高齢者用の靴は主に、スーパーや薬局、デパート、量販店などの介護用品販売コーナーや、介護保険サービスを受けている方であれば、ケアマネジャーを通じて福祉用具専門事業所から購入できます。
介護施設やデイケアセンターなど、靴の見本が置いてあるところで相談することも可能です。
また、インターネットで購入できる商品もあります。
ごく一部の治療用シューズを除き基本的に、高齢者用靴の購入は介護や医療保険の対象外となるため、介護認定を受けていなくても購入が可能です。
次に、各購入方法のメリット・デメリットについて簡単にご紹介します。
①介護用品販売コーナーでの購入
●メリット
欲しい時にすぐ購入できる(近くの店舗で買える)。
その場で手に取って試着できる。
レシートがあれば、返品交換ができることもある(通常の靴購入と同じルールが適用されるので、店舗によって対応は違う)。
●デメリット
品揃えが少ない。取り扱いメーカーが限定される。
売れ筋商品だけしか扱わない店もあり、細かいニーズに対応しにくい。
販売時に対応してくれる人が、高齢者用の靴の専門家ではない場合がある。
②デイサービスなどの介護施設
施設のフロアに見本の靴がおいてあるところでは、そこで実物を試してから、取り扱い福祉用具専門店を通じて購入することが可能です(後述の④参照)。
③インターネット
●メリット
いつでも気軽に購入できる。
商品の取り扱いが多く、支払い方法なども選べることが多い。
●デメリット
お試しができないため、サイズ、質感、色味、機能などが、宣伝通りか確かめられない。
返品、交換は販売サイトのルールによって違う。
購入時、購入後の相談ができないことが多い。
④福祉用具専門員、福祉用具販売店の直売
●メリット
福祉用具の専門家に相談できる。
お試し品を複数、自宅で試着できる(お試しに対応できない商品もある)。
カタログなどでの取り寄せにはなるが、多数の靴を取り扱いしている。
足のトラブルに応じた靴の購入を検討でき、片足だけの購入も可能。
有料でのカスタマイズも可能。
福祉用具店に在庫がある商品なら、試着後すぐに、あるいは数日以内に購入できる。
購入後のアフターサービスが受けられる。
●デメリット
基本的に定価販売なので価格が高め。
商品によっては取り寄せになり、時間がかかることもある。
こうした靴の購入は、手軽さを選ぶか、しっかりお試しを選ぶかで、上記のように購入方法が大きく変わります。
現在の身体の状態、歩行の目的(散歩、施設、通院等)、外出頻度などをいろいろ考慮しながら、ご自身にあった靴で安全にお過ごしください。
引用 *1)厚生労働省:健康日本21 身体活動・運動
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html
参照)
国土交通省:第1章 「歩く」効果・効用とそれを習慣化する方法の整理
https://www.mlit.go.jp/common/000022977.pdf
日本介護福祉会:歩行能力の維持を目的としたフットケア-高齢者の足の自覚からの示唆-
https://www.jaccw.or.jp/magazine-28-maekawa.pdf
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