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2025.03.28
「介護が辛い」その気持ちを、そのままにしない ── 介護者のためのレスパイトケアのススメ
大切な家族のため、とはいえ在宅介護では、介護者へ心身ともに大きな負担がかかります。気がつかないうちにイライラしたり、眠れない、気力がわかない、あるいは身体の不調を感じる人も少なくありません。今回は、介護者への支援、レスパイト(休息)ケアについてご紹介します。
介護における「レスパイト(休息)」とは、主に介護者が一時的に介護からはなれ、身体の疲れを癒して気持ちをリフレッシュさせることを言います。
そして介護者が休息をとれるよう、ほかの家族や外部の人が支援を行うことを「レスパイトケア」と言います。
介護は昼夜を問わないことも多いため、介護者は常に緊張状態を強いられ、心身の疲労が溜まりやすくなります。
介護者は自身の健康をどうしても後回しにしやすいのですが、疲労や体調不良、または精神的に不安定な状態のなかで介護を続けると、介護を受ける側も、不安やストレスを感じてしまう可能性があります。
レスパイトによって疲労を回復したり、気分転換がうまくできれば、介護者の身体が楽になり、心に余裕が戻ります。
その結果、良い介護も継続しやすくなります。
レスパイトケアの必要性が「高い」と言える介護者の状態を例に挙げます。
【介護状態】
*常時の介護や見守りが必要
*医療的なケアや認知症へのケアが必要
*要介護者の介護度が高く、それを支える介護者の心身の負担が大きい
【精神状態】
*介護ストレスや不安、抑うつなどを抱えている。また、ふとしたことでイライラするなど、感情のコントロールが難しい
*孤立感や孤独感が強い
【健康状態】
*睡眠不足などで、疲労が蓄積している
*持病や腰痛の悪化など、身体的な痛みや不調がある
【生活状態】
*休息や趣味などの時間がほぼ、あるいはまったく取れない
*ほかの家族や友人との交流、社会とのつながりが、大幅に減少している、または、ない
【就労状態】
*仕事と介護の両立を、重荷に感じている
*介護離職を考えている
【その他】
*冠婚葬祭や家族旅行などの理由で、一時的に介護ができない
このような状態が続くと、将来、介護者が倒れる危険性も考えられます。そのため、ご家族を最期まで自宅で介護する予定であれば、スタート時から積極的にレスパイトケアを介護計画へ組み入れていくことをおすすめします。
一般的に「レスパイトケア」とされるものには、次のような種類があります。
市区町村から認定された「要介護度」によって、受けられるサービス内容や、1ヵ月で利用できるサービス回数などが違ってきます。
*ショートステイ(短期入所生活介護)*
要介護者が一泊から数週間程度、施設に宿泊して、食事や入浴などの介護や生活支援の提供を受けるサービスです。介護者は宿泊期間中に、まとまった休息をとることができます。
*デイサービス(通所介護)*
要介護者が日中に施設へ通い、食事・入浴・レクリエーションなどのサービスを受けるものです。通っている時間帯に、介護者が休息できます。
*訪問介護*
介護の資格をもった訪問介護員が自宅を訪問し、身体介護や生活援助を提供します。介護者の身体的負担の軽減だけでなく、介護者のケガや病気といった「万が一のとき」にも対応してもらえる体制が事前につくられるため、介護者の精神的負担も軽減できます。
*訪問看護*
訪問看護師が自宅を訪問し、医療的ケアや健康管理を行います。医療処置やケアに対する専門的なアドバイスを受けながら健康管理ができるようになることで、介護者・要介護者ともに、療養上の不安を軽減することができます。
*レスパイト入院(要介護認定の有無は問わない)*
要介護者に胃ろう、点滴、人工透析などの医療的措置が必要な場合に利用できるサービスです。こうした措置が必要な要介護者は、たとえ健康状態が安定していても、介護保険適用施設ではショートステイを利用できないことが多くあります。
そのような場合に、介護者のレスパイトケアを目的として一時的に医療機関へ入院できる仕組みです。
*介護・医療保険を適用したサービスだけでは、対応できないとき*
介護保険や医療保険の適用範囲外となる場合でも、訪問介護の自費対応や家事代行サービス、地域の見守りサービス、ボランティアによる外出支援などを利用する方法があります。
また、それらのサービスを介護保険サービスと併用すれば、より柔軟な支援を受けられます。
さらに、日ごろから家族や親戚、友人知人などへ、短時間の見守りなどをお願いしていくことで、介護者に緊急的な用事が出来た時などに、一時的な介護の交代もしてもらえやすくなります。
通常、「疲れたら休む」のは、ごく自然なこと、当たり前のことです。
しかしこれが「介護」のことになると、介護者によっては「休む」「離れる」「自分の時間や楽しみを持つ」ことに、なぜか引け目を感じたり、罪悪感を持ったりするのです。
あるいは「自分にしかできない」「たとえ少しでも施設に預けるのは親不孝」などの使命感や責任感、強い思いから、レスパイトに踏み切れない介護者もいます。
ですが、そのような方にこそ、レスパイトケアを受けていただく必要があると言えます。実際、無理やり介護を続けると、介護者がいつか倒れてしまうかもしれません。介護者が倒れてしまったら、一番困るのは、介護を受けている「大切なご家族」なのです。
介護者の方には、ぜひ、ご自身に対してときどき「私、大丈夫かな?」と、問いかける習慣をつけていただければと思います。
大丈夫と答えた方は、実際に日々の生活を「笑顔」で過ごしていらっしゃいますか?
「最近、笑えていないな」「楽しいことがないかも」「眠れない」という方は、レスパイトケアをご検討ください。
いきなりショートステイなどを利用するのは、難しいかもしれません。少しずつ、まずはご自身のペースで、短時間のデイサービスや訪問介護の利用などから、始められてはいかがでしょうか。
費用面で不安がある方も、費用負担の軽減制度や自治体独自の助成金制度などが利用できる場合があります。まず、介護保険の認定がまだの方はお近くの地域包括支援センターへ、介護認定を受けている方は担当のケアマネジャーへご相談ください。
レスパイトケアを利用することは、決して「介護を放棄する」ことではありません。大切なご家族との生活をこれからもずっと、大切に守っていくための手法です。
レスパイトケアを積極的に取り入れて、介護者が自身の健康と笑顔を保ち、大切なご家族との時間を穏やかに過ごしていただければと思います。その合言葉は「私、大丈夫かな? 笑顔で過ごせてる?」です。
【参照】
社会保障研究 Vol.6 No.1 特集:高齢者介護における家族介護の実態 家族介護者の介護負担の経時変化 小山 泰代
file:///C:/Users/care21/Downloads/sh21070103.pdf
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