2022.11.01

介護認定は何歳から受けることが出来るの?介護保険の特定疾病についても徹底解説。

介護認定は何歳から受けることが出来るの?介護保険の特定疾病についても徹底解説。

介護サービスを利用するのに必要となる「介護認定」について、何歳から申請が出来るのか?また、第一号被保険者と第二号被保険者のそれぞれの資格要件、また介護保険における特定疾病についても解説しております。

介護認定は何歳から受けることが出来るの?介護保険の特定疾病についても徹底解説。

 

 

 

 

 

目次

Ⅰ. 介護認定は何歳から受けられるの?

(1)第一号被保険者とは

(2)第二号被保険者とは

(3)介護保険における特定疾病とは

II.  まとめ

 

 

 

 

 

 

 

Ⅰ.介護認定は何歳から受けられるの?

 

介護申請の資格がある方は大きく二つに分類できます。

  • 第一号被保険者に該当する65歳以上の方
  • 第二号被保険者に該当する40歳〜64歳の方です。

 

➀第一号被保険者とは

65歳以上で日本国内に住所を有する方が第一号被保険者となります。

65歳に到達する日の前月の月初めに介護保険被保険者証が郵送されてきますので、介護認定申請をする時は、申請書と共に被保険者証も添付する必要があります。

 

また、第一号被保険者になるとお住まいの住所地を管轄とする保険者に保険料を納入する義務が生じます。納入方法としては年金から保険料の月賦分を天引きされる特別徴収と、コンビニエンスストアなどで直接払い込む普通徴収があります。

 

保険料は介護サービスを受ける受けない関係なく支払う義務があり、万が一滞納などしてしまうと、介護が必要になった時、費用を一旦全額負担しないといけなくなる償還払い方式での利用になったり、1割負担でサービスを受けれるはずが、3割の利用者負担を強いられるなどのペナルティがあるので注意が必要です。

  

②第二号被保険者とは

40歳~64歳で日本国内に住所があり医療保険加入者、且つ加齢に伴う特定疾病が原因で介護が必要になってしまった方となります。

 

介護認定を受けることで、介護保険被保険者証が自宅に届きます。介護認定申請をする時は、申請書と医療保険証のコピーを添付する必要があります。

 

また第二号被保険者になると、医療保険者が医療保険料とともに介護保険料も一緒に徴収されます。

 

③介護保険における特定疾病とは

厚生労働省のHPでは特定疾病について

 

特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。

1) 65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められる等、罹患率や有病率(類似の指標を含む。)等について加齢との関係が認められる疾病であって、その医学的概念を明確に定義できるもの。

2) 3~6ヶ月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病。

 

引用元:厚生労働省HP「特定疾病の選定基準」

 

と介護保険の特定疾病は、「➀加齢との関係が認められる疾病であるということ」「②3ヶ月~6ヶ月以上に渡って介護を要する状態になる割合が高いと考えられる疾病である」と定義されています。

 

現在介護保険で認められている特定疾病は以下の16疾病です。

なお特定疾病に該当するか否かは、主治医意見書の記載内容に基づき、市町村等に置かれる介護認定審査会が確認を行うこととなっています。

 

それでは以下項目において16疾病について解説致します。

 

1.ガン末期

介護保険におけるガン末期は、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限ると定義づけられており、余命で言えば概ね6ヶ月を想定されています。

 

2.関節リウマチ

関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を引き起こします。

関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。

最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝、こわばるようになります。また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。

どの年代でもおこりますが、特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて症状も多彩です。

 

引用元:日本整形外科学会HP「関節リウマチ」

 

介護保険では、自他覚症状や発症期間、臨床検査結果などを総合的に判断して特定疾病に該当するか判断します。

 

3.筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通です。

 

引用元:難病情報センターHP「筋萎縮性側索硬化症」

 

介護保険では進行性であること、成人発症であることを含め臨床検査結果で基準値をクリアした場合に特定疾病として認められます。

 

4.後縦靭帯骨化症

後縦靱帯骨化症とは、椎体骨の後縁を上下に連結し、背骨の中を縦に走る後縦靭帯が骨になった結果、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気です。骨になってしまう脊椎の部位によってそれぞれ頚椎後縦靱帯骨化症、胸椎後縦靱帯骨化症、腰椎後縦靱帯骨化症と呼ばれます。

 

引用元:難病情報センターHP「後縦靭帯骨化症」

 

介護保険では、自覚症状も含めた理学所見、画像診断、識別所見などから特定疾病として認められるか判断されます。

 

5.骨折を伴う骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

 

引用元:日本整形外科学会HP「骨粗鬆症」

 

特定疾病として認められる骨粗しょう症は「骨折を伴う骨粗しょう症」であるとの診断が医師から下されなければなりません。

また臨床検査で骨萎縮度、骨塩量値、X線画像をトータルして特定疾病に該当するか判断されます。

 

6.初老期における認知症

65歳未満の方が発症する認知症の総称を若年性認知症といいます。

ちなみに40歳~64歳までの間に発症する認知症のことを初老期認知症といい、介護保険においての特定疾病にも認められています。

 

認知症の主な症状である記憶障がいと認知障がいが理由で多彩な認知欠損の発現が認められることが特定疾病で認められる条件となっております。

 

7.パーキンソン病関連疾患

パーキンソン病関連疾患とは「進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る。)」の総称のことです。パーキンソン病症候群は含まれませんので注意が必要です。



進行性核上性麻痺

脳の中の大脳 基底核 、脳幹、小脳といった部位の神経細胞が減少し、転びやすくなったり、下方を見ることがしにくい、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症状がみられる疾患です。初期にパーキンソン病とよく似た動作緩慢や歩行障害などがみられて区別がつきにくいこともありますが、パーキンソン病治療薬があまり効かず、効いた場合も一時的のことが多く、経過がより早く進む傾向があります。

主な臨床症状としては、転びやすい、眼の動きが悪く下を見ようとしてもうまくできない、しゃべりにくい、飲み込みが悪い、認知症といった症状がみられます。

引用元:難病情報センターHP「 進行性核上性麻痺」

 

進行性核上性麻痺は原因不明の指定難病の1つです。根治する治療法が確立されていません。悪質なタンパク質が発生し、前頭葉周辺の萎縮していきます。

 

認知症やパーキンソン病のような症状があらわれ、発症からおおよそ5年以内に寝たきりになると言われています。

進行性核上性麻痺は介護保険の特定疾病に認定されています。

 

大脳皮質基底核変性症

パーキンソン症状(筋肉の硬さ、運動ののろさ、歩行障害など)と大脳皮質症状(手が思うように使えない、動作がぎこちないなど) が同時にみられる病気です。身体の左側または右側のどちらか一方に症状が強いのが特徴ですが、典型的な症状に乏しく、診断の難しい場合が少なくありません。40歳以降に発病し進行します。

典型的には最初に片方の腕が思うように使えない(失行)や運動ののろさを自覚することが多いようです。続いて同じ側の足も重くなり歩行が不自由になります。やがて反対側の腕と足にも運動障害が起こり、転びやすいなどの症状が現れます。ときには言葉が出にくくなったり(失語症)、片方の空間を見落としてしまったり(半側空間無視)します。

認知症が現れることも少なくありません。腕を持ち上げたり動かすときに素早いぴくつき(ミオクローヌス)や手足に持続的に力 が入ってしまう(ジストニア)症状が現れる人もいます。これらの症状には初期から左右どちらかに症状が強いがみられることが特徴ですが、左右差がない場合も少 なくありません。CTやMRIで大脳の萎縮にも左右差があることが特徴とされています。

 

引用元:難病情報センターHP「大脳皮質基底核変性症」

 

大脳皮質基底核変性症は、脳の大脳皮質と大脳基底核と呼ばれる部分にタンパク質が蓄積することで、脳を委縮させる指定難病です。原因や治療法についてはまだ見つかっていません。ものごとを計画立てて実行に移すことが出来なくなります。

 

また、「細かい作業ができない」「指示が出来なくなる」「片腕が意思と関係なく勝手に動くまたは意思と反対の動作をしてしまう」などの症状があります。

 

発症から10年以内に寝たきりになることが多く、大脳皮質基底核変性症は介護保険の特定疾病に認定されています。

 

パーキンソン病

振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こる病気です。時々は40歳以下で起こる方もあり、若年性パーキンソン病と呼んでいます。

ふるえ(振戦)、筋強剛(筋固縮)、動作緩慢、姿勢保持障害が主な運動症状です。ふるえは静止時の振戦で、椅子に座って手を膝に置いている時や歩いているときに、手に起こります。動かすとふるえは小さくなります。筋強剛は自分ではあまり感じませんが、他人が手や足、頭部を動かすと感じる抵抗を指しています。動作緩慢は動きが遅くなることで、同時に細かい動作がしにくくなります。最初の一歩が踏み出しにくくなる「すくみ」が起こることもあります。姿勢保持障害はバランスが悪くなり転倒しやすくなることです。姿勢保持障害は病気が始まって数年してから起こります。最初から起こることは無く、病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こるときには、進行性核上性麻痺などの パーキンソン症候群 の可能性があります。運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、易疲労性(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、 起立性低血圧 (立ちくらみ)、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)などの症状も起こることがあり、非運動症状と呼んでいます。

 

引用元:難病情報センターHP「パーキンソン病」

 

介護保険の特定疾病として認められるには、以下の要件を全て満たす必要があります。

 

  1. 経過は進行性である。
  2. 自覚症状がみられる。
  3. 神経所見がみられる。 
  4. 抗パーキンソン病剤による治療で、自覚症状、神経所見に明らかな改善がみられる。 
  5. 鑑別所見で、自覚症状や所見や検査などの項目に該当しなかった場合。

パーキンソン病は指定難病の1つです。またパーキンソン病には、重症度を図る指標にホーン・ヤールの重症度分類というものがあります。

パーキンソン病の進行度を0~5度の6段階で評価し、3度以上が難病医療費助成制度の対象となります。

また介護保険の特定疾病では進行度は問われません。

 

8.脊髄小脳変性症(SCD)

歩行時のふらつきや、手の震え、呂律が回らない等を症状とする神経の病気です。動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ないという症状です。主に小脳という、後頭部の下側にある脳の一部が病気になったときに現れる症状です。この症状を総称して、運動失調症状と呼びます。この様な症状をきたす病気の中で、その原因が、腫瘍(癌)、血管障害(脳 梗塞 、脳出血)、 炎症 (小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害ではない病気について、昔は、原因が不明な病気の一群として、 変性 症と総称しました。病気によっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので、脊髄小脳変性症といいます。

脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、この運動失調症状をきたす変性による病気の総称です。よって、その病気の原因も様々です。現在では、脊髄小脳変性症の病気の原因の多くが、わかってきています。しかし、一部まだ原因の解明されていない病気も残されています。これらの病気の解明には多くの患者さんのご協力を必要とします。なお、足の突っ張り、歩行障害が主な症状である痙性対麻痺も、一部の疾患では小脳症状を呈することがあるため我が国では行政上は脊髄小脳変性症に含まれています。

主な症状は、起立や歩行がふらつく、手がうまく使えない、喋る時に口や舌がもつれるなどの症状です。痙性対麻痺では、足の突っ張り、歩きにくさが特徴的な症状です。脊髄小脳変性症では、これらの症状がたいへんゆっくりと進みます。このような、運動が上手に出来ないという症状を総称して運動失調症と言います。脊髄小脳変性症として総称されている病気では、それぞれの種類で、運動失調以外にもさまざまな症状を伴います。 

 

引用元:難病情報センターHP「脊髄小脳変性症」

 

脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、身体は動かせるのに上手く動かすことが出来なくなる、運動失調症状をきたす原因不明の病気の総称です。

 

介護保険の特定疾病と認定されるにはそれぞれに細かい規定があります。また脊髄小脳変性症は難病に指定されており、以下の8つの病型があります。

 

  1. オリーブ橋小脳萎縮症(Olivopontocerebellar atrophy:OPCA)
  2. 皮質性小脳萎縮症(Cortical Cerebellar Atrophy:CCA)
  3. Machado-Joseph 病(MJD)
  4. 遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症
  5. 遺伝性皮質性小脳萎縮症
  6. 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(Dentatorubropallidoluysian atrophy:DRPLA)
  7. 遺伝性痙性対麻痺
  8. Friedreich 運動失調症

 

9.脊柱管狭窄症

加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。

脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管を狭くなって(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。

腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。

 

引用元:日本整形外科学会HP「脊柱管狭窄症」

  

介護保険の特定疾病として認められるには、脊柱管狭窄症の症状と画像所見による脊柱管狭小化を総合的に診断される必要があります。

脊柱管狭窄症は脊柱周辺の組織が加齢により変化することで、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され、手足のしびれが現れる疾患です。

治療としては「保存療法」「手術療法」「運動療法」があり、疾患の重症度によって選択もしくは組み合わせてアプローチすることにより効果があります。

   

10.早老症

早老症(そうろうしょう)とは、"早期老化症"とも呼ばれる、老化の徴候が実際の年齢よりも早く、全身にわたってみられる疾患の総称です。実年齢よりも老化が進む症状が見られるため"早老症"と呼ばれますが、実際には約10の疾患が含まれています。その中にはハッチンソン・ギルフォード症候群やウェルナー症候群などが含まれていますが、疾患や患者本人の状況により、老化の症状が進む早さには違いがあります。

特にウェルナー症候群は、全世界での報告数のうち、6割が日本人であり、日本人に多い早老症といわれています。しかし、他の早老症に関しては、日本人の報告例が非常に少ないことから、日本での実態は不明です。

早老症は現在、国の指定難病になっています。

 

引用元:健康長寿ネットHP「早老症」

 

早老症の発症は主に先天性の染色体異常によるもので、症状の進行による合併症も多いのが特徴です。また治療方法が確立されていない、国から指定された難病です。

 

年齢よりも早期に全身的な老化現象がみられ、平均寿命も15歳程度と言われています。



11.多系統萎縮症(MSA)

多系統萎縮症は、孤発性(非遺伝性)の脊髄小脳変性症に対する総称です。脊髄小脳変性症は、中枢神経系(大脳、小脳、脳幹、脊髄)が広く障害され、緩徐に進行する、いわゆる神経変性疾患と呼ばれる病気の1つです。脊髄小脳変性症の有病率は10万人あたり18人程度と考えられています。脊髄小脳変性症の約70%が孤発性で、孤発性の約65%が多系統萎縮症と考えられています。残りの約35%は皮質性小脳萎縮症と呼ばれています。人種、性別、職業、生活習慣などとの関連性は特にないと考えられています。

小脳失調症(起立歩行時のふらつきなど)を主な症状とするオリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン症状(動作が遅くなる、手足が固くこわばる、転びやすいなど)を主な症状とする線条体黒質変性症、自律神経障害(立ちくらみ、失神、尿失禁など)を主な症状とするシャイ・ドレーガー症候群、これらはかつて異なる病気であると考えられていました。しかし進行に伴い各症状が重複し、最終的には渾然一体となることが認識され、また神経病理学的な検討により、神経細胞に共通の病変が見いだされました。原因は同じですが、神経の障害が異なった場所で起こりうること、また異なった順序で進行しうることがわかりました。その結果、3つの病気を1つにまとめて多系統萎縮症と呼ぶようになりました。

 

引用元:難病情報センターHP「多系統萎縮症」

 

多系統萎縮症は、臨床症状の組み合わせと経過とMRI検査の画像診断、自律神経検査、膀胱機能の検査、起立性低血圧の程度などから総合的に診断されます。

 

12.糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病性網膜症

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。

糖尿病の神経障害、腎症、網膜症は3大合併症と呼ばれています。

尚、これらの合併症が特定疾病として認められるには、それぞれの合併症に基準値が設け

られており、基準値を超えないと合併症とは認められません。

 

神経障害

糖尿病が悪化すると、末梢神経の代謝に異常をきたして不必要な物質が溜まってしまったり、神経に栄養を与える血管が傷ついて血流が低下したりすることで、結果として神経の働きも障害されてしまいます。

具体的な症状としては、痺れや痛みなどの感覚異常、下痢や便秘などの胃腸異常があります。

 

腎症

糖尿病腎症は、糖尿病が発症してすぐに生じるわけではなく、高血糖の状態が長く続いた場合に腎臓が傷んでしまうことで発症します。

腎臓に傷みが生じて腎臓の機能が低下することを「腎症」と呼びますが、特に糖尿病が原因で腎臓の機能が低下した場合を、「糖尿病腎症」と呼びます。

糖尿病腎症が進行し末期腎不全に至ると、腎臓の機能を代行する治療である「透析治療」が必要になります。

 

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症の原因は、「糖尿病によって高い血糖値が持続すること」で起こります。

血糖値が上昇し、網膜の血管が詰まったり破れたりします。そのことで、視界が狭くなったり

網膜に十分な栄養が届かなくなったりして、視力低下や失明につながったりする場合もあります。



13.脳血管疾患

介護保険で認められる脳血管疾患は、明確に血管性の器質的脳病変を有するもので、以下の分類に該当するものが該当します。

 

1.虚血群=脳梗塞症

  ①脳血栓

  ②脳塞栓症

  ③分類不能の脳梗塞

 

2.出血群=頭蓋内出血

  ①脳出血

  ②くも膜下出血

  ③その他の頭蓋内出血

 

14.閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを感じます。さらに進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。

 

引用元:国立循環器病院センターHP「閉塞性動脈硬化症」

 

介護保険の特定疾病として認定されるには、四肢、腹部、下肢などの動脈に閉塞があり、それが原因で間欠性跛行が現れているなどの条件があります。

 

15.慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患)とは、略称COPDとも呼ばれます。主にタバコの煙など、有害物質が含まれる空気を長期間にわたって吸い込むことで発症します。有害物質の刺激によって空気の通り道である気管支や酸素を取り込む働きをする肺胞に炎症が起こり、肺の機能に障害が生じる進行性の疾患です。

気管が炎症を起こすと咳や痰などの症状が慢性的にみられるようになります。気管支が狭くなり、肺胞まで炎症が及ぶと、肺胞が酸素を取り込めなくなり、肺胞の壁が壊れていきます。肺胞での酸素交換が障害されることによって呼吸時の空気の出し入れがスムーズに行えなくなり、息切れや喘鳴(ゼイゼイという呼吸音)がみられるようになります。

 

引用元:健康長寿ネットHP「慢性閉塞性肺疾患」

 

介護保険の特定疾病と認められる慢性閉塞性肺疾患は以下の通りです。

 

  1. 慢性気管支炎
  2. 肺気腫
  3. 気管支喘息
  4. びまん性汎細気管支炎

  

※それぞれの疾患に診断基準があります。

※慢性とは1年に3ヶ月以上続き、それが2ヶ年(2冬連続)以上にわたる場合のことを言います。

 

16.両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

変形性膝関節症は膝関節の疼痛や日常生活動作障害等を特有の症状とする、膝の関節軟骨の変性を主体とした運動器疾患のことです。この変形性膝関節症は高齢者に多く、日本における患者数は65歳以上では55%と高いため、国民病であると言われています。そのため、現在健康なヒトに対しては、膝関節軟骨を正常に保ち続けることで、変形性膝関節症にならないように予防することが重要です。また、既に変形性膝関節症に罹患してしまった人に対しては、運動を中心としたリハビリテーションにより症状の進行を予防することが期待されています。

 

引用元:健康長寿ネットHP「変形性関節症」

 

尚、介護保険での特定疾病の診察判断基準についてですが、X線検査及び歩行様態をトータルで検討して、主治医が判断することとなっています。




II. まとめ

 

➀介護認定を受けるには、介護申請をする必要があります。介護申請を出来るのが

1.65歳以上で日本国内に住所を有する方(第一号被保険者)

2. 40歳~64歳で日本国内に住所があり医療保険加入者。

 

尚且つ加齢に伴う特定疾病が原因で介護が必要になってしまった方(第二号被保険者)のどちらかの要件に該当する必要があります。

 

②介護保険の特定疾病は、

1.加齢との関係が認められる疾病であるということ

2.3ヶ月~6ヶ月以上に渡って介護を要する状態になる割合が高いと考えられる疾病である

と定義されています。特定疾病には16種の疾病が認定されています。

 

③特定疾病に該当するか否かは、主治医意見書の記載内容に基づき、市町村等に置かれる

介護認定審査会が確認を行うこととなっています。

 

執筆者 吉本達志

執筆・監修者

管理者

竹本さん

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