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2022.11.01
フレイル予防で健康寿命を延ばす!介護状態を避けるための秘訣とは?
この記事では、介護状態にならないための高齢者の介護予防について解説してまいります。介護予防の1番の目標は、住処で健康な生活を長く続け、介護を受けずに済む状態でいることです。また万が一、介護が必要になった場合においても、それ以上介護度が悪化しないように善処していくことも介護予防と言えます。いずれの場合も、自助努力が必要になります。その具体策について解説します。

出典:【医療従事者監修】フレイルとは?特徴と原因、対策について解説【チェックシート】|栄養お役立ち情報|ネスレ (nestle.jp)
フレイルは、英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。この言葉は、海外の老年医学の分野で使われていたもので、日本では2015年に日本老年医学会が提唱しました。このフレイルという名前には「正しく介入すれば戻る」という意味が含まれています。
状態としては、健康な状態と介護が必要な状態の中間の段階のことを指します。多くの高齢者は、健康な状態からフレイルの時期を経て、介護が必要な状態となっていきます。よって介護予防では、運動や日常の活動量を増やすなどの生活サイクルを意識的に変えリハビリの専門職に介入してもらうなどして、要介護状態にならないようにすることが何よりも重要になります。
1.フレイルの判定基準について
老年医学では次に挙げる5つの徴候(フレイル指数) のうち3つ以上そろうと「フレイル」と評価されます。1~2個該当した人はプレフレイル(フレイルの前段階)と位置付けられ、1つも該当しない方は健常者として捉えられます
I..体重減少(半年で2~3kg以上)
II..筋力低下(握力が 男性:26kg未満 女性:18kg未満)
III...疲労感(わけもなく疲れた感じがする)
IV...歩行速度の低下(通常歩行で1秒で1m進めない場合)
Ⅴ.身体活動(日中の活動量が低下)
また、これら以外にも血液検査や質問紙等で判断する方法もあります。
2.フレイルの構成要素について
フレイルは多面性があり、社会性・精神・心理性・身体性・栄養性・免疫性・内分泌性がそれぞれ影響しあっています。例えば社会的孤立や心理的ストレスは精神的不安定さや抑うつ傾向を引き起こし、それが食欲不振や筋力低下等へ影響する可能性があります。
加齢に伴って筋肉量や筋力が減少すると、基礎代謝量も低下します。その結果、エネルギー消費量が減り、食欲が落ちて1日の食事量が少なくなります。さらに、食事量が少なくなると栄養素の摂取も不十分になり、低栄養状態に陥る可能性が高くなります。
低栄養状態は、体力や免疫力の低下だけでなく、疲れやすさや生活への意欲の喪失といった精神的な影響も及ぼします。これらは日中の活動量を減らし、社会との関わりを失わせる要因となります。社会的孤立はさらに活動量を減らし、心身の機能を衰えさせる悪循環を引き起こします。このようにして徐々に状態が悪化し、最終的には介護が必要になるサイクルをフレイルサイクルと呼びます。
フレイルサイクルに陥った人は、健康な人よりも病気やストレスに対する耐性が低くなります。例えば風邪をひいた場合でも、肺炎や敗血症といった重篤な合併症を起こしやすくなります。また孤立した生活は認知刺激を減らし、認知機能の低下や認知症の発症リスクを高めます。

それでは次にフレイルを予防する上で重要なポイントを見ていきましょう。
フレイルは先述した通り、「正しく介入すれば戻る」のが特徴です。
もし、ご家族でフレイルサイクルに陥ってしまっていると思われる時は早めにケアマネージャーやリハビリの専門職に相談し、介入してもらうようにしましょう。
本章ではフレイルになってしまわないように、自分で出来る予防策について説明します。
糖尿病や高血圧などの成人病を悪化させないように、病院に行くなどして、適切にコントロールしましょう。
フレイルはストレスに弱く、疾患が悪化しやすかったり、また認知症を進行させて周辺症状を悪化させる原因にもなります。
また持病が悪化すると、倦怠感から活動量を低下させ、フレイルサイクルを加速させる危険性があります。
フレイル予防には、筋力や免疫力、骨密度などを維持するために、たんぱく質やビタミンDなどの栄養素が重要です。特に、高齢者は消化吸収能力が低下しているため、若い人よりも多めに摂取する必要があります。たんぱく質は、体重1kgあたり1.0~1.2gを目安に摂りましょう。例えば、体重50kgの人なら50~60gです。ビタミンDは、日光浴やサプリメントで補うこともできますが、食事でも摂取しましょう。一日に必要な量は20μgです。
では、具体的にどんな食品をどれくらい食べればよいのでしょうか?次の表を参考にしてください。
| 栄養素 | 食品例 | 一日あたりの目安 |
| たんぱく質 | 肉・卵・乳製品・大豆製品・魚介類・海藻類など | 50~60g |
| ビタミンD | 鮭・さんま・きのこ類・卵黄・チーズなど | 20μg |
これらの食品を毎日バランスよく摂ることが大切です。また、噛む力や飲み込む力が低下している場合は、柔らかくしたり細かく刻んだりして食べやすくしましょう。
フレイル予防には、食事だけでなく運動も欠かせません。運動は、筋力やバランス感覚、心肺機能などを向上させ、骨粗しょう症や認知症の予防にも役立ちます。しかし、無理をして怪我をしたり、逆に運動不足になったりするのは良くありません。日常生活で継続できる適度なメニューと効果的な方法を知っておきましょう。
運動メニューは以下のような種類があります。
| 種類 | 効果 | 例 |
|---|---|---|
| 有酸素運動 | 心肺機能や血行を改善し、全身の代謝を高める | 散歩・自転車・水泳・ダンス・エアロビクスなど |
| 筋力トレーニング | 筋肉量や筋力を増やし、関節の可動域や姿勢を改善する | スクワット・腕立て伏せ・腹筋・ウエイトリフティングなど |
| バランス訓練 | 転倒や骨折の予防につながるバランス感覚や反応速度を高める | 片足立ち・つま先立ち・歩行訓練(直線歩行・後ろ向き歩行)など |
| ストレッチ | 筋肉や関節の柔軟性や血流を良くし、コリや凝りをほぐす | 首回し・背伸び・体側屈・足首回しなど |
これらの運動はそれぞれ効果が異なりますが、一つだけでは不十分です。可能であれば毎日30分以上、有酸素運動と筋力トレーニングとバランス訓練とストレッチを組み合わせて行いましょう。例えば、
このようにして自分に合ったメニューを作ってみましょう。
次に、運動の方法ですが、以下のようなポイントに注意してください。
フレイルにならないようにするためには、前述した通り、栄養バランスの良い食事を定期的に摂取する必要があります。
そのためには、ムセずに食事を食べるための嚥下能力が必要となります。
口腔機能とは、歯、顎、舌、頬などによる食塊形成、唾液分泌機能、構音機能などのことを指します。口腔機能および嚥下機能の低下は、「摂食時間の延長や摂食可能な食物形態の限定」、「水分摂取の不安」、「コミュニケーション能力の低下」を招き、QOLを低下させるだけでなく、低栄養や脱水、誤嚥性肺炎の原因ともなりえます。
またそこから、食事が満足にとれずに低栄養が進み、少しずつ体の虚弱体質が進んでいかないような対策をとる必要があります。
人間は社会との関りが希薄になっていくと、自宅にこもりがちになってしまいます。
自宅にこもりがちになると、日中の活動量が低下するため、お腹も空かなくなり、食欲が低下します。食事量が減少すると低栄養になり、筋肉量が減少し、転倒しやすくなるなどの悪循環が起こりやすくなります。
そうならないように、外部の人と交流を図り、催し物や交流会など、社会との接点を出来るだけ持ち続けるようにしていきましょう。
➀フレイルの語源は英語の「Frailty」日本語に直すと「虚弱」「老衰」「脆弱」という意味。介護の現場で言えば、健康な状態と介護が必要な状態の中間の段階の状態のことを言う。
②フレイルという名前には「正しく介入すれば戻る」という意味が含まれている。これはフレイルの状態であっても介入と自助努力によっては、健康体に戻ることが出来ることを指している。
③フレイルの判定基準は「体重減少」「筋力低下」「疲労感」「歩行速度の低下」「身体活動の低下」の5つのうち3つ以上該当すると、フレイルと位置付けられる。
④フレイルには多面性があり、社会性、精神・心理性、身体性がそれぞれに影響しあっている。
⑤フレイルの状態になると、病気やストレスなどの変化に対応し辛い体となってしまう。なんてことない風邪でも抵抗力が低下しているため重症化してしまう傾向にある。
⑥フレイルを予防するためには
I.持病のコントロール
II.栄養バランスのとれた食事を摂る
III.適度に身体を動かす
IV.口腔機能を保つようにする
V.社会性を失わない
執筆者 吉本達志
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