2023.11.13

【介護の悩み:誰も住まない実家をどうする?】空き家にしないためにできること。

【介護の悩み:誰も住まない実家をどうする?】空き家にしないためにできること。

遠く離れた親が施設に入ることになった、子供と同居することになった等の理由で実家をどうすればいいかというご相談を受けることがあります。なかにはすでに老朽化して廃屋同然になってしまっているお宅もあります。空き家の問題を整理し、空き家にしないために出来ることを考えます。

「空き家」は年々増え続け、近年、社会問題となっています。

そのため、国でも「空き家問題」解消のため、平成27年に「空き家等の対策を推進するための特別措置法」を施行しています。

その後、令和5年6月にもその特別措置法の一部改正が公布され、より一層「空き家」対策が強化されています。

家は人が住まなくなると劣化が早まります。

「いつかそのうちに。しばらくはほっといても大丈夫」と油断せず、空き家のリスクを理解し、できるだけ早く対策をとりましょう。

 

1.空き家のリスク

意図せず人や物を傷つけてしまう。

 空き家になることで、屋根・外壁・雨戸が壊れ、近隣住宅を損壊する、または通行人にあたって怪我をさせてしまうことは、たとえそれが故意でなくても、その建物の所有者の責任になります。

他者や物を傷つけたことによる賠償責任は予想以上に高額になる可能性があるだけでなく取り返しのつかない後悔をすることになるかもしれません。

ご近所迷惑な家になってしまう

 敷地内の草木が茂って、雑草だらけになっているなど、手入れのされていない空き家は、ごみの不法投棄場所になりやすいです。

「犬の散歩時、毎回、汚物を入れた袋を捨てられた」、「処分に困る家電や壊れた自転車などを庭に放棄されていた」などのケースもあります。シロアリやネズミ・イタチやアライグマなど害虫・害獣の住処にもなりやすく、異臭だけでなく他の家にもシロアリやネズミの被害が及ぶおそれがあります。

また、不審者が身を隠しやすく、放火などの犯罪リスクを高め、地域の防犯・防災問題にもつながります。

近所の人に、庭の水道を勝手に開栓され何カ月も水を使用されていたのを、別のご近所から警察に通報が行きご近所同士の関係で複雑な思いをしたというケースもあります。

経済的負担の増加リスク

 適切な管理をせずに長期間放置している家は、自治体の調査により「特定空家」 に認定されます。

「特定空家等」に認定されると自治体から建物の適切な管理についての助言・指導が行われます。

助言・指導に従わないと勧告がだされ、その翌年からこれまで受けていた住宅用地としての税金の特例措置が受けられなくなり、その敷地に対する税金が高くなります。

また、実家が近くにあり、気軽に頻繁に通える場合を除いて、適切に「空き家」を管理するためには、実家までの交通費や補修メンテナンスの費用がかかります。

それでも、適切な空き家の管理さえなされていれば、「空き家」のリスクはかなり軽減できます。

 

2.空き家の管理

①定期的な換気(1ヶ月に1回が理想)

 家の窓や玄関を開放し換気・通気を行う。

 

②建物の状態確認・補修

 屋根や窓、外壁、雨戸、門扉に壊れたところがないか確認。

 こまめに補修をする。雨漏り、カビのチェック。

 特に台風や地震の後は念入りに確認。

 

③敷地内の草引き・庭木の手入れ

 手入れがされているかどうかが一番わかりやすいところ。

 

④室内の掃除

 トイレや洗面台、流し台、お風呂など水回りについては、数十秒間水を流し通水しておく(排水から上がってくる臭いの対策)

 

⑤鍵やメーターの確認

 鍵が壊れていないか。鍵がこじ開けられようとしたような跡がないか。

 水道などのメーターの確認(漏れのチェック)。

 

⑥ポストの管理

 転居届の提出。チラシの処分、回覧などがきていないかの確認

 

⑦できるだけ外に物を置かない。

 放火やいたずらをされないように、敷地内に物を置くときは、できれば鍵付きの収納庫などを設置。    

 

⑧室内の家具や物を少しずつ整理していく。

 相談できる親や兄弟がいる場合、一度に処分するのではなく、訪問時に少しずつ不用品を整理していくと後々楽になります。

 

⑨自治会費の納入・近隣へのあいさつ

 自治会などがある場合、空き家に対する自治会費を特別に低額に設定している所もあります。

ゴミ出しや、地域清掃など、空き家になっても、地域とのつながりは大切で、活動に参加できなくても、自治会費を納めることで「空き家」を管理していることへの理解を得やすくなります。

 近隣へのご挨拶も同じです。なにか手土産をもっていくということではなく、「こんにちは」「なにかあったらいつでも連絡ください」と声をかけ連絡先を伝えておくことが大切です。 特に、いわゆる「向こう三軒両隣」にご挨拶することで、定期的な訪問がしやすくなり、日ごろから「空き家」を気にかけてもらえる効果も期待できます。

 

3.空き家にしないためにできること

  実家が遠く離れていて、定期的な訪問が難しい場合、空き家の管理を専門の管理会社に頼むこともできますが、その分費用がかさみます。

適切な管理がむずかしい場合は、思い切って「売却する」「賃貸・活用する」ことも検討してはいかがでしょうか。

空き家対策は行政の早急な取り組みでもありますので、各自治体の区役所に相談窓口が設置されています。

また、自治体によって、空き家を貸したい人や、売りたい人が登録した情報を提供するサービスで「空き家バンク」という制度もあります。

国土交通省のホームページから自治体ごとに確認ができます。

また、相続した空き家を売却する場合、一定の要件をみたせば、譲渡所得の特別控除の特例により、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるなど、空き家対策への取り組みに対する優遇制度がいろいろあります。

各自治体によって違いますが、空き家の取り壊しについての補助金などもあります。

「空き家問題」は前もって準備をすることで防ぐこともできます。 

親の急な入院、認知症状が急激に悪化してきたなどということは、いつ起きるかわかりません。

そのため、「わが家を空き家にしないためのエンディングノート」を作成・配布している自治体もあります。ご家族が集まった時に、各々の実家での思い出を話しながら、「将来的に家をどうしたい」という話になれば、気軽に本音を聞けるかもしれません。

何度か話をすることで、親の思いを尊重しつつ、ご家族の気持ちや事情を反映した解決策がみつかれば一番です。

 

参照:

空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)

国税庁  No.3302 「マイホームを売ったときの特例」 

空き家にしない「わが家」の終活ノート 神奈川県居住支援協議会

 

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。


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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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