2024.06.21

高齢者の一人暮らしの不安:離れて暮らす家族も安心の見守りサービス

高齢者の一人暮らしの不安:離れて暮らす家族も安心の見守りサービス

少子高齢化が進む日本では、一人暮らしや高齢者夫婦だけの世帯が増加しています。それに伴い、高齢者が安心して暮らせるようなサービスや取り組みが求められています。今回はその中でも個人で気軽にできるIoT機器を利用した見守りサービスについてご紹介します。

注)IoTとはInternet of Things の略。モノをインターネットにつなげる技術で、たとえば、スマホで帰宅前にお風呂やエアコンのスイッチを入れるなどの遠隔操作ができます。

 

高齢者見守りサービスとは?

一人暮らしの高齢者数は男女共に増加していて、令和 22 年(2040 年)には男性約 356 万人、女性約 540 万人になると予測されています。*1)

高齢者見守りサービスは、離れて暮らす家族の安否を確認し、異常があれば知らせる、緊急時に駆けつけるなどのサポートを行うものです。

 

 高齢者を見守る必要性 

政府調査*2)よると、高齢者が一人暮らしを選択するのは、パートナーとの離別や死別、家族が離れて暮らすことだけでなく、①本人が住み慣れた自宅や地域から離れたくない、②子どもに負担をかけたくない、③今の生活に満足していて健康や金銭的に問題がない、などと本人の意思や気持ちも関係しているようです。

 

③のように生活が充実・満足しているということであれば、一見、見守りや支援は不要なように思えますが、その時点では問題がなくても、日常のちょっとしたきっかけ(体調不良や骨折など)で急に状況がかわり、生活バランスが崩れる可能性もあります。そのような万が一の事態を想定し、早めに対策を考えておくことは大切です。

 

 高齢者の見守り方法を知ろう 

高齢者の見守り方法には、大きく分けて5つのタイプがあります。

 

・安否確認:定期的に電話やメールで高齢者に連絡をとり、安否を確認。
・センサーによる見守り:自宅に設置した動きを感知するセンサーで、行動や室内の状況を確認。
・カメラによる見守り:自宅に設置したカメラで、屋内での様子を映像で確認。

・GPSによる見守り:GPSにより高齢者の位置情報を取得。
・緊急時駆けつけ:何らかの方法で高齢者から緊急通報があった場合、サービス事業者などが駆けつけて対応。

 

実際には、これらを組み合わせて見守りサービスを提供していることが多く、たとえば、センサーやカメラでサービス事業者が異常を探知し、緊急駆けつけサービスを行うといった流れになっています。

 

 IoTを利用した見守り支援サービスの具体例 

電話回線を利用した緊急通報システムなどは、以前から自治体等で取り入れられていました。
けれども最近は、迷惑電話防止のため、電話回線をやめて携帯電話に切り替える人が多く、専用の機器の設置が必要です。
緊急の場合には、本人が通報ボタンを押さねばならないことなどもあり、最近では、より気軽で簡単に利用できるIoT機器での見守り支援サービスが主流となっています。

特別な機器の設置がいらない見守りサービス

ライフラインを利用

 電気・水道・ガスなどのライフラインの使用状況を把握することで、利用している高齢者の生活状況を見守ります。日常生活を支障なく送っていれば、電気・水道・ガスは毎日一定量使用されるので、その使用量のメーター情報を管理。長時間使用がない、逆に通常より異常に多い利用量などを探知したら、メールやアプリで登録者(ご家族等)に知らせます。

ライフラインを利用した見守りについては、サービス開始時に特別な機器の設置や操作の必要がないこと、無料もしくは比較的安価な料金で利用できることが魅力です。

また、自治体での見守り支援にも活用されており、異常のお知らせを受けたボランティアや地域の協力者が駆けつけるシステムになっている市町村もあります。カメラやセンサー等の見守りと違って、日常の行動を監視される感覚が少ないことも魅力のひとつです。

 

家電を利用

 本人が見守りを意識することなく支援できるサービスには、家電を利用した見守りサービスもあります。

たとえば冷蔵庫のドアの開け閉めや、電気ポット・テレビなどのスイッチのオンオフの状態を感知し、スイッチが長時間オフの時(利用がない)、または逆に長時間オンになっている時に、異常と判断して見守り者に通知します。こうした機能がついた製品は、ものによって高額になりますが、サービスの利用料は無料もしくは安価なものが多いので、買い替えのタイミングで購入すれば、代金の負担感も少なくなります。

ただし、認知機能の低下や心身の具合によっては、冷蔵庫や電気ポットが利用できなくなることもあるため、注意が必要です。

また、同じく安価に利用できる方法では、電球のオンオフで安否確認ができる商品もあります。日に一度は必ず利用するトイレなどに取り付ければ、安定した見守りができるうえ、Wi-Fiなどのネット環境や取り付け工事も不要です。こちらも、自治体や地域の見守り支援に導入されています。

 

カメラやセンサーを利用した見守りサービス

「防犯対策も兼ねて24時間の見守りを受けたい」「画像と音声で安全を確認したい」「生活の動線上でリスクのあるところ全般を見守りたい」などの希望がある場合、カメラやセンサーによる見守りサービスを検討されるとよいかと思います。

特定の場所(リビング、玄関の出入り)だけを見守るなど、場所を限定することもできますし、逆に、費用はかかるものの複数個所にカメラを設置すれば、広く家の中を見守ることも可能です。

カメラで見守るだけなら、個人で比較的簡単に設置できるものもあります。

また、アプリを利用した見守りサービスには、アプリの起動やメールの送受信の機会を利用するだけでなく、スマホ内蔵のカメラを利用し、室内での動きを検知出来るものもあります。

 

さらに、警備会社等が提供するサービスであれば、費用はかかりますが、緊急時に駆けつけてもらうことが出来るので、防犯面でも安心です。

カメラやセンサーでの見守りは、他のものに比べて明らかに監視要素が強いため、見守られる高齢者の気持ちへの配慮が必要です。
実際に「息子さんが勝手に設置したカメラが気に入らない」と、リビングやキッチンに設置しているカメラを避けて移動されている方もいらっしゃいました。
とはいえカメラでの見守りには、リアルタイムに様子確認ができる、過去の映像にさかのぼれる、双方通話ができることで離れた家族とのコミュニケーションを距離を感じずにできる、などのメリットがあります。

 


 

 今回はIoT機器を利用した見守りサービスについてご紹介しました。

大変便利で手軽な方法ですが、同時に、人とのつながりによる見守りもおすすめしたいと思います。

介護保険を利用されている方であれば、デイサービスや訪問介護、訪問リハビリなどの介護サービスを定期的に利用すれば安否や、身体状態の確認が可能です。

また、宅配のお弁当や乳酸菌飲料などを定期的に配達してもらえば、栄養バランスも考慮でき、配達員さんとのコミュニケーションもできます(実際に、配達時に異常があれば連絡をしてくれるサービスを提供する事業者もあります)。

ほかにも、老人会や町内会への参加、地域包括支援センターでのイベントに登録参加し日頃の交流があれば、「最近見かけない」「イベントへの出席がない」などの理由で安否確認をしてもらえることが期待できます。

 

いずれにせよ見守りサービスに関しては、まず、ご本人の気持ちを第一に尊重しながら、見守る側と見守られる側が、ともに安心して生活をおくることが大切になります。

いろいろなサービスを併用することで、さらに安全に生活を楽しむこともぜひ検討してみてください。

 

 

参照)

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_000164233.html

1)一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査(結果に基づく通知)R5.7.4 総務省

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html

2)令和5年度版高齢社会白書 内閣府

https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/koho/mimamoriguidebook.files/guidebook4.pdf

高齢者の見守りガイドブック 東京都福祉局

 

 



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最後までお読みいただきありがとうございました。


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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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