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2024.07.04
高齢者の熱中症に注意! 大切な命を守るために、熱中症の予防と対策。
例年、梅雨以降になると、熱中症による救急搬送のニュースが相次いで報道されます。 高齢者にとっては、命にかかわることもあるため日頃からの予防が大切です。今回は、高齢者の熱中症予防と対策についてご説明します。
「熱中症」は、高温、強い日差しの下、多湿などの環境に長くいることで、徐々に起こります。
体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内でも発症し、重症になると命にかかわることがあります。*1)
総務省消防庁の調べでは、令和6年5月、全国の熱中症による救急搬送は2,799人で、そのうち満65歳以上の高齢者が1,519人と全体の54.3%をしめています。6月に入ってからはさらにその数が増えて、6月10日~6月16日の1週間で2,485人、そのうち高齢者は1,487人。1週間だけで5月の月間数に迫りました。主な発生場所は、「住居」が多く、次いで「道路」となっています。*2)
熱中症の予防には、脱水状態にならないようにすることと、暑さや湿気を避けることが大切です。
高齢になると身体機能が低下して脱水状態になりやすいうえ、自分の体調の変化にも気づきにくくて重症化しやすいので、とくに注意が必要です。
高齢者が脱水状態になりやすい理由としては、主に以下の5つが挙げられます。
加齢により、喉の渇きを感じにくいことや、トイレの回数が増えるのを心配する人は、水分を控えてしまいがちです。また、食欲の低下で食事量が減り、食事からとる水分や塩分の摂取量が少なくなる人もいます。
糖尿病や腎臓病などの基礎疾患がある人は、体内の水分バランスが崩れやすくなります。
利尿薬や糖尿病薬、降圧剤などは、副作用で脱水状態を引き起こしやすいため、注意が必要です。
筋肉には体液を蓄える機能があります。加齢により筋肉量が減少すると、身体に蓄えられる水分量も減ってしまいます。
高齢になると皮膚の温度や湿度に対する感度も鈍ります。暑い時に汗をかくなど、体内で自然に行われる体温調整機能がうまく働かなくなります。また、暑さを感じにくいために、エアコンを使って室温を下げる、といった行動を適切なタイミングでとれなくなります。
高齢者は、体調不良があっても加齢や持病などのせいにしやすく、異常に気付きにくいとされます。
下記のような症状が見られたら、「脱水かも?」と疑ってみることが大切です。
*舌や唇が乾いている。
*皮膚の弾力がなく、乾いている。
*食欲がない。元気がない。
*トイレの回数が少ない。
*せん妄(急に大声をだす、落ち着きがなくなる、幻覚や幻視がある)の状態になる。
◎喉が渇いていなくても、水分と塩分をこまめに摂取する。
水や麦茶など、飲み水からの水分補給は、1日1.2ℓが目安とされています。
起床時と就寝前にコップ一杯の水を飲む、外出時には水筒を持参するなどの習慣をつけると、こまめに水分補給ができます。
汗をかいたときや脱水の心配があるときには、スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。
最近は、塩分の入った飴(熱中症対策としてスーパー、コンビニなどで販売されています)のように、手軽に塩分と糖分が摂取できるものもあります。ただし、摂りすぎにはくれぐれも注意してください。
とくに持病のある方は、水分、塩分、糖分の適量について必ず主治医等に相談しましょう。
◎暑さに負けない体づくり
食事でも、水分や塩分を摂取することが大切です。季節の果物や野菜、スープなど、水分を多く含むものを積極的にとり、栄養バランスの良い飲食で、暑さに負けない体を作りましょう。
さらに、無理のない範囲で適度な運動をすることも、体力づくりに効果的です。
朝や夕方の涼しい時間帯の散歩、ラジオ体操などから始めてみてはいかがでしょうか。
◎室内の温度や湿度を適切に保つ
また、湿度が高くなると、湿気で汗が蒸発しにくくなり、体に熱がこもってしまって、熱中症のリスクが高まります。
室内に温湿度計を設置し、夏場の室温は28℃、湿度は40~60%を目安に調整しましょう。
ほかにも、熱中症の予防を目的とした指標で、暑さ指数(WBGT)があります。環境庁が示す数値でテレビのニュースなどで情報が伝えられます。指数が28を超えると熱中症の人数が増えるとされ、国や自治体は注意を呼び掛けています。最近は、この暑さ指数(WBGT)を表示してくれる温湿度計も手軽に購入できるようになりました。
室温調節には、エアコンの積極的な利用がおすすめですが、高齢者は冷やしすぎにも注意が必要です。
これを防ぐためには、例えばエアコンとサーキュレーターを併用して冷気を効率よく循環させる、窓にすだれや遮光遮熱効果のあるカーテンを取り付けるのがおすすめです。冷やしすぎ防止だけでなく省エネにもつながります。
暑さ対策としてはさらに、窓や玄関ドアなど空気が通りやすい2か所以上を開けて換気をする(防犯には注意する)、室内で涼しい服装にする、シャワーを浴びたり身体を拭いたりする、なども効果的です。
暑い日に、高齢者が急に脱力したようになる、めまいや、手足のしびれを感じる、足がつる、身体が熱い、頭痛、嘔吐や吐き気などがあると、熱中症の疑いがあります。
まずは、涼しい場所に移動して衣服をゆるめ、保冷剤や氷水などで首、わきの下、太ももの付け根の内側あたりを冷やします。
そして、本人に声掛けをします。意識があり、水分を自分で飲めるようであれば、経口補水液やスポーツ飲料などで水分補給をさせます。
意識が朦朧としている、話しかけても返事をしない、いつもと様子が違う、自分で水分をとることができない、嘔吐があるといった症状があれば、水分補給を無理強いせずに救急車を呼んで、急いで医療機関を受診してください。
最後に繰り返しとなりますが、高齢者の熱中症は、脱水を予防して暑さ対策をとることで、リスクを大幅に減らすことができます。
そうしたことを意識して、安全で快適な夏を過ごしましょう。
出典:
*1)厚生労働省 熱中症予防のために
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000170793.pdf
*2)総務省:消防庁
令和6年5月の熱中症による救急搬送状況の概要、全国の熱中症による救急搬送状況(令和6年6月10日~6月16日・速報値)
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r6/heatstroke_sokuhouti_20240610.pdf
参照:
熱中症環境保健マニュアル 2022
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_pr.php#manual
熱中症予防情報サイト 環境庁
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_lp.php
熱中症が疑われる人を見かけたら 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/happen.html
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