2024.11.01

高齢者のスマホ利用:便利なスマホを安全・快適に使うために

高齢者のスマホ利用:便利なスマホを安全・快適に使うために

 令和5年の総務省調査では、世帯で保有する主な情報通信機器のうち、スマートフォンの割合が90.6%に上っており、今後も増加傾向にあるようです。スマートフォン(以下、スマホ)は高齢者にとっても「家族や友人との連絡」「情報収集」「趣味を楽しむ」等で使うツール(道具)として、たいへん便利な存在です。 その一方、高齢者のスマホ利用は「トラブルや詐欺に巻き込まれやすい」というリスクもあります。ここでは、そうしたメリットとデメリット、利用の注意点やトラブル対策についてご紹介します。

高齢者のスマホ利用の現状

 高齢者のスマホ保有率は、若年層に比べるとかなり少なくはなりますが、それでも60~69歳で86%、70~79歳で64.4%、80歳以上で53.7%となっています。

利用状況は、日常的にSNS(エスエヌエス、「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略。インターネット上で専用のアプリを使い、文章や画像、動画などで他者とやり取りする仕組み)を利用して、家族や友人と日常的に会話・交流している方や、ネットで必要な情報を検索して趣味や旅行、仕事に活かしている方などがいます。

逆に、スマホの小さな画面のタッチ操作や専門的な用語(アプリ、ダウンロード、アップデートなど)に抵抗感があり、利用がなかなか上手く進まない方もいらっしゃいます。

高齢者がスマホを利用するメリット

【コミュニケーションの拡がりが期待できる】

 高齢になると、家族が離れて暮らしていることや、身体状態の変化により気軽に外出できなくなることで、他者とのつながりがどうしても少なくなりがちです。

しかしスマホでSNSのサービスなどを利用すれば、文章での会話など画面を通じて他者と対話ができます。しかもこのやり取りは一対一だけでなく複数人でも可能で、皆で集まったときのようにコミュニケーションを楽しめます。

 

【手軽に情報収集できる】

 最新のニュースや天気予報、趣味や健康など、気になる知識や情報を簡単に、たくさん集められます。

例えばスマホのアプリを利用すれば、気軽に自治体の行政情報(例:ごみ分別の詳細など)を得られます。また、災害・防災・防犯など緊急性のある情報についても、素早く通知が届くよう設定できます。

その他、いつでも気軽に情報検索できるので、気になった世間の動きや情報について、さまざまな見解なども調べやすくなったりします。

 

【日常生活が便利になる】

 最近は、コンビニやスーパーのレジもキャッシュレス化しつつあり、アプリを使いスマホで代金を支払えます。現金を持たずに買い物できることは、防犯の観点からも安心です。外出時も、乗り換え情報でタクシー、バス、電車の情報を調べられ、スムーズな移動が可能となります。買い物に出るのが難しければ、スマホでネットショッピングもできます。その他、歩数計など自身の健康管理にも活用できたり、動画をみたり、月々定額の利用料金で多くの映画、音楽、本などを気軽に楽しんだりすることができます。

さらにオンラインでの医療受診、薬の受取り手続き、各種講座や講義の受講、安否確認や見守り防犯サービスへの対応など、便利なサービスはたくさんあります。


高齢者がスマホを利用するデメリット
 

【個人情報の漏洩や、詐欺などの被害につながりやすい】

 「他者とのつながりが増える」ということは、同時に悪意のある他者にも、これまで以上につながりやすいということです。

 セキュリティ対策不足や、個人情報の取り扱いについての正しい認識がないことは、自身の個人情報が漏洩するだけでなく、家族や友人・知人にも迷惑がかかってしまう危険性があります。

 

【情報に惑わされる可能性がある】

 ネット上では多種多様な情報が流れていますが、残念ながらその中には、根拠や真偽が定かでないものも、たくさんあります。いわゆるフェイクニュース(偽情報)は、エイプリルフールのいたずらのようなものから、災害時の状況や避難、支援に関する悪質、または詐欺的な目的を持つものまで、さまざまです。
「何となく興味のある情報」を、無防備にただ受け取るだけだと、どれが正しくどれが間違っているか、本当に必要な情報は何なのか、などが、だんだん分からなくなってしまいます。

また、そうしたマイナス面をニュースなどで聞いて、スマホやインターネットにかえって強い不安を感じてしまい、せっかくの機能を使わずにいる方も少なくありません。


【トラブルが起きても自分で対応することが難しい】

 スマホ以前の「ガラケー」と呼ばれる、過去に広く普及していた携帯電話は、そのほとんどがスマホに比べ、操作や機能がシンプルでした。電話をかけるのも受けるのも「本体のキーボタンを押す」という、はっきりした操作で行えていました。

それに比べて、スマホは画面タッチの操作に慣れるまで、誤操作などのトラブルが起きやすいと言えます。タップ(画面を指で軽く一瞬、押す)、スワイプ(画面を好きな方向へ、指で滑らせて動かす)、フリック(画面上のものを好きな方向へ指で軽くはじく)など、慣れない操作用語に戸惑われる方も多いようです。

 また、スマホには、機能を使うための土台、OSという「基本のソフトウエア」が入っていて、そのソフトは定期的に最新状態へアップデート(ネットにつなげて更新)する必要があります。何らかの理由で更新されていないと、スマホの一部機能が使えなくなったり、セキュリティが弱くなったりする恐れがあります。

ふだんから通話中心でスマホを利用している方は、OSのアップデートを意識されることが少ないようで、「○○ができなくなった」「スマホが動かなくなった」などと、ケアマネジャーに相談されたりもします。その原因が「OSアップデートをしていなかったから」というケースは少なくありません。


高齢者が安全にスマホを利用するためには

 スマホの操作は、慣れれば小さなお子さんでも可能なくらい簡単ですが、先に述べたようにスマホを入り口としてさまざまなサービスにつながれるため、それらに対応できる知識は必要となります。スマホが情報収集・発信・コミュニケーションのツールである以上、それを使う側にも一定のルールやマナー、工夫が求められるのです。

 

【利用の注意点】

*基本操作を学ぶ

・地域や携帯ショップなどで開催されるスマホ教室へ参加し、基本的な操作や用語を正しく覚えましょう
 (操作に慣れるまでは各携帯電話会社などで提供する高齢者向けサポートサービスを利用する方法もあります)

・不要なメールやウェブサイトは安易に開かない、アプリも、ホームページなどからはなるべくダウンロードしないなどの基本的なセキュリティ・詐欺対策をとることが大切です
 (メールやSNSからのメッセージ(LINEなど)については不要なものは届かないようにしつつ、必要なメールは受け取れる設定など、利用するアプリの安全な使い方を理解しておきましょう)


必要な操作について自分なりの「かんたん操作マニュアル」を作成する(もしくは家族に作成してもらう)と、さらに便利です
また、できればスマホの機種を家族や友人とそろえることをおすすめします(家族や友人が、操作の質問に答えやすいため)

 

*定期的な料金のチェック

・スマホの料金やネット上での買い物の決済は、定期的に利用明細をチェックしておきましょう
身に覚えのない請求、長い間使っていないサービスやアプリの請求などがないか、必ず確認するようにします
(自分で対応できない場合、家族や携帯ショップに相談)

 

*詐欺や料金トラブルなどの情報を、定期的に確認する

・携帯電話会社や警察、地域の防犯情報などで、メールやLINE、動画などネットを介して行われる詐欺や、さまざまなトラブルの最新情報を確認する(定期的にチェックし、あらかじめ知っておくことで、何かの「お誘い」が来た時、「例のアレかも!」と用心することができます)

 

 
 スマホは便利な「通信ツール」で、本体価格や月々の通話・通信料を考えると「高価な持ちもの」でもあります。極端に恐れたり、面倒がったりせず、自分が理解できるようになる方法を探しましょう。行政でも安心な使い方講座などを高齢者向けに開催したりしています。

 自分にあった方法で知識や使い方を身に付け、より快適に楽しく活用していただければと願います。

 


総務省:令和5年 通信利用動向調査ポイント
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/240607_1.pdf

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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