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2025.05.23
介護の悩み:高齢の親との介護や将来の話をしたい~親との向き合い方
高齢の親の介護や将来のことが心配だけど、「話すと拒否されそう」、「まだ大丈夫、と話をそらされてしまった」……。そんな悩みを抱える方は少なくありません。今回は、親の気持ちを大切にしながら寄り添うためのヒントをお伝えします。
親が年齢を重ね、外見的にも体力的にも衰えてくると、多くの子どもは「何とか支えてあげないと」と思い、心配のあまりついつい親に「大丈夫か」「これは危ない」「〇〇したほうがいい」などとあれこれ言ってしまいがちです。ですが、親にとってはどれだけ子どもが立派に成人していても「自分が親である」という思いに変わりはありません。
また、「子ども(他人)に迷惑をかけたくない」「自分はまだそんな年じゃない(老いを認めたくない)」「自分のことは自分でしたい(決めたい)」という気持ちは、長年頑張ってきた「親(人)」としてのプライドでもあります。
なかには、子どもが心配して話せば話すほど、自分を「子どもに面倒を見てもらう存在」のように感じてしまい「偉そうに言われた」「責められている」「無理強いされた」などと受け取ってしまう親もいるようです。
「老いては子に従え」という古いことわざがありますが、実際にはなかなか、そんなふうに割り切るのが難しいのです。ですから子どもとしては「親がずっと親でいられること」を意識し、親の意思を尊重しなから話をするのが大切と言えます。
万が一、介護が必要になったら」「将来どこでどんなふうに過ごしたいか」という話は、大切ではありますが、伝え方やタイミングが難しいものでもあります。
子どもが客観的に状況を見渡して「いずれは○○になるから、こうしたほうがいい」などと言うと、親はそれを指示や命令と受け止めるかもしれません。
また、「大丈夫って言うけど、この先、何か決めているの?」と正面切って尋ねると、親にとっても将来は未確定ですから、すぐには答えられなくて、結果的に親を問い詰めてしまう形になるかもしれません。
できれば「最近、何か困っていることはない?」「今は元気だけれど、もし介護が必要になったら、どうしたい?」「これからどんなふうに過ごしていきたいと思ってる?」というように、「どう思う?」「どう考えている?」などの気持ちを相手から引き出して、『子として相談する姿勢』を保つことが大切です。
・体調を崩したときや通院の後は、「歳をとった」ことを意識しやすく、支援を受け入れやすい
・身近な人の介護や入院の話題が出たとき「お母(父)さんだったら、どうしたい?」などと聞く
・テレビやニュースなどで介護・災害・医療の話題が流れた際に「うちならどうする?」と、「自分たちのこと」として話す
・誕生日や年末年始、お彼岸などの節目なら「これから先のこと」が話題にしやすい
・親が「足が痛くて、買い物が辛い」など日常の困りごとを口にしたときに今後の希望を尋ねる
上記のタイミングに加え、親の体調が落ち着いているときや、ゆったり話せる時間(お茶の時間、テレビを見ながらくつろいでいるときなど)を選んで話をするようにしましょう。
その際に、焦って一気に話を進める、まとめるなどの無理をせず、少しずつ会話を重ねるつもりで取り組むことが必要です。
これまで親が元気で、あまり連絡を取っていなかった人が、急に「認知機能の低下がある」との連絡を受けて、慌てて帰省する例は良くあります。
ある方は、一生懸命に対策を考えて説得したが、親から「何を今さら」「自分が親を介護するの、イヤなんでしょう」などと疑いの目で見られ、とてもショックを受けておられました。
親にこんなふうに受け取られてしまうと、その後、何を言っても親になかなか受け入れてもらえず、子どものほうも精神的負担が大きくなります。
そのような状況にならないためには、やはり、日頃のコミュニケーションが重要と言えます。
とはいえ、一緒に暮らすことや毎日の連絡を求めているわけではありません。「ときどき」くらいの間隔で定期的に連絡を取り、何気ない会話を楽しむだけでも違います。
もちろん、買い物や食事、病院への付き添いができれば、さらに信頼関係は増すでしょう。そんな関係があってこそ、親も「この子の言うことだから…」と思えるのではないでしょうか。
また、こうした機会をつくることで、親の気持ちや求めているもの、日々の生活が見えやすくなります。
家族の安心のために、子どもとしてできる備えは他にもあります。
*親のかかりつけ医や持病、服薬の情報を共有しておく
*緊急時の連絡先以外に、親の居住地にある地域包括支援センター、自治会、災害時の避難場所といった情報をまとめ、いざというときにすぐ連絡できるようにしておく。
*親の居住地の自治体が行っている、介護保険や高齢者支援に関する制度、サービスについて情報を集めておく
*ふだん、親が話している希望や要望を、メモにしてまとめておく
これらは、親の説得やサービスへすぐ繋げるためでなく、いざというとき自分が慌てず対応するために準備してくとよい情報です。
ときには話がなかなか進まなくて「焦りや苛立ち」を感じたり、「自分自身を否定されたような気持ち」になってしまうこともありえます。ただ、加齢によって心身機能が低下したとしても、すぐにそれを自覚して長年のやり方や生活をいっぺんに変えるというのは、それほど簡単なことでもないのです。
ですから、子どもの思いを否定したり、本心から関係を拒否しているわけではないと思います。
焦らず、少しずつ。すぐには伝わらないとしても、思いは徐々に届いていくはずです。
どうしても「親が聞いてくれない」ときは、ご自身を責めずに、地域包括支援センターや主治医、信頼している知人や親族などの、第三者の力を借りてみましょう。こうした専門家や信頼する人から言われるほうが、受け入れやすい人もいます。
また、早いうちから第三者へ相談するというのは、あなた自身の心を守ることにもなる、とても大切なポイントです。地域包括支援センターの職員には情報の守秘義務もありますから、恥ずかしがらず頼ってみてください。
高齢の親を思うあなたの思いがきちんと伝わり、「親が親らしくいるための支援」ができることを、心から願っています。
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