2023.06.19

認知症者が、安心した日常を暮らしていくためのデジタル活用術

認知症者が、安心した日常を暮らしていくためのデジタル活用術

認知症者や高齢介護が増える一方、介護の担い手不足は日本の課題の1つです。介護や看護は、人のぬくもりがあってこそですが、デジタルを上手に使うことで得られる安心もあります。

安心した暮らしを守るためのデジタル利用とは

ここでは、デジタルとアナログの定義の説明は省かせていただきます。
皆さんが、イメージされるデジタルは「コンピューターの世界」といったところでしょうか。

私たちの生活や福祉医療では、既にデジタルが活用されています。
便利で豊かな日常が送れる一方で、場面によっては不安な気持ちになります。

デジタルとアナログの良し悪し

時計を例にみる

解読時計

例えば、目が見えない人は触覚や聴覚を頼りにされているかと思います。アナログの世界では「解読時計」というものがあり、針に直接触れて時刻を確認します。

また、介護者が時間を読み上げるという方法で時刻を知る方法もあります。介護者が常に知らせてくれるのであれば、人のぬくもりがあり安心ですね。ただ、常に介護者が横に居るわけにもいきません。

   腕時計

デジタル時計

「デジタル時計」はデジタルです。細かく刻む秒針を、ご高齢者や認知症者が見るには厳しい場面があります。

そんな時、シンプルかつ大きく表示されたデジタル時計があれば、見やすく理解しやすくなります。

また、聴覚を頼りにされている方々にとって、自動音声で時刻を知らせてくれる「デジタル時計」は重宝します。

情報を管理を例にみる

紙と鉛筆

紙と鉛筆を準備して、電話番号を記入します。記入した紙を落としたり、誰かに持ち出されたり、盗み見られたりすると情報は流出します。

大量に情報が書き込まれている帳簿の場合、法人や企業によっては鍵付きの棚に保管されている事もあるでしょう。少しの情報量なら手軽さはあるものの、情報が多いと管理が大変です。

   メモと鉛筆

コンピューター

デジタルの場合、パソコン内に情報を書き込んだり、クラウドサービス等を利用して情報を保管したりということができます。

パスワード等で閲覧や編集する人を制御することができ、情報を暗号化し守ることができます。アナログと違い、情報が多い場合は管理が楽になります。

上手に付き合う

アナログとデジタルの双方には、違うリスク(危険)が伴い、違った利便性があります。

もちろん、双方の性質は違いますが、それらを前提に知っておくことは上手にデジタルを活用していくうえで大切なことです。

福祉医療領域での人手不足の解消には、「デジタルが必要不可欠」の時代が到来しています。家族介護や福祉医療の専門職、行政などの手続きなどの問題も密接に関わりをもちます。

アナログとデジタルを織り交ぜることで、これまでにない安心した暮らしの実現を目指せるわけです。

デジタルの進化

マイナンバーカード

今後の福祉医療を考えるうえで、切り離すことができないマイナンバーカードについて少し触れておきます。マイナンバーカードについて賛否はありますが、国は拍車をかけるように取り組みを進めています。

医療分野では健康保険証として使えるようになりました。今後、介護保険も一体化していく方針と国は示しています。

そうしたうえで「情報の管理」が大きな課題とされています。デジタルとアナログの双方の良し悪しを理解し、活用することが重要となります。

カードや登録された情報の管理

昨今、話題となっているマイナンバーの情報の登録ミス等は、私たちではどうにも対処できない範囲です。これらは、行政が主導し改善する必要があります。

マイナンバーカードは「国民の利便性をあげるため」に創出されたものです。そして、活用するわたしたちは必ず知っておくことがあります。

情報漏洩の本質

デジタルにおける情報漏洩の本質は「ヒューマンエラー※1」です。ヒューマンエラーをどう防ぐかはここでは紹介しませんが、デジタルを活用するうえで情報が漏洩する原因の大半を占めています。

この事実を認識することは、とても重要なことになります。

※1 ヒューマンエラーとは、人間が関わる作業で起こるミスのこと

認知症のためのデジタル

冒頭で触れたように、既に福祉医療の世界ではデジタルの活用は進んでいます。
では、認知症者に使われているデジタルとはどんなものがあるのでしょうか。

GPSトラッカー

認知症者の症状の1つに徘徊があります。「その人らしさを守る為に自由に外出してもらうが、家に帰れず付き添いや見守りが必要であっても見守れない」などの場面に活用されるアイテムです。

認知症者にGPSを所持してもらい、位置確認(所在確認)や駆けつけサービスなどがあります。

認知症予防アプリ

認知症予防の1つに「脳トレ」があります。簡単な計算を解いたり、本や漢字の読み書きなどがあります。

紙を使っての脳トレは、今でも多く存在するかと思いますし、紙の暖かみは認知症者には大切だと考えています。

一方、スマートフォンやタブレットを活用して脳トレを行う「認知症予防アプリ」が増えているのも時代の流れです。

アプリは直観的に操作でき、脳トレの実践結果を可視化してくれるものもあります。
スマートフォンを使って、空き時間にどこでも手軽にできるのも魅力ですね。

見守り家電

見守りポット

有名な見守り家電といえば「見守りポット」でしょうか。デジタル通信とポットを組み合わせた家電です。

1人暮らしの認知症者やご高齢者がお湯を使っているか否かで、遠方のご家族が安否を確認します。
筆者は実際に見たことはないですが、冷蔵庫などの機器もあるようです。

見守りのカメラ

プライバシーの問題は考慮されるべきですが、「見守りする為のカメラ」も見守り家電の1つです。

スマートウォッチ

GPSの要素もありながら健康管理や緊急時通報システムも兼ね備えた「スマートウォッチ」があります。

個人差はありますが、腕時計であれば抵抗なく身に着けてくださる認知症者もいらっしゃいます。

迷惑防止機能付き電話機

認知症者に限らずご高齢者の詐欺被害はなくなりません。そうした場合「迷惑防止機能付き電話機」を設置することで詐欺被害の回避率があがります。

自治体によっては、補助金が出ている場合もあります。

コミュニケーションツール

ビデオ会議ツール

通信技術の進歩により「ビデオ会議ツール」が普及しています。認知症者が1人で活用するには敷居が高いかもしれませんが、支援者の協力を得て、遠方に住んでいるご家族とのコミュニケーションが容易に行えます。

認知症者に限らず、孤独に暮らしているご高齢者には有効なツールといえます。

   オンライン通話

コミュニケーションロボット

認知症者がぬいぐるみに話しかけていたりする光景を目にすることがあります。しかし、ぬいぐるみは返事を返してくれません。

それ自体が悪いという訳ではないですが、時代の流れに伴い「コミュニケーションロボット」が少しずつ増えてきています。

安否確認の機能を備えたものもあります。1人暮らしの認知症者やご家族の外出時にも孤独を紛らわすことができるかもしれません。

コミュニケーションロボット

まとめ

認知症者に限らず、これらを活用するうえでは「個人の尊厳」について注意が必要です。
見守りの用途で活用しても、少しボタンを掛け違うだけで見守りが監視となり、プライバシーを侵害してしまいます。

介護の担い手不足などを補うものとして、デジタルの活用は大きく期待されています。またAIの進歩により、その幅は急速に広がるかもしれません。

個人の状況はそれぞれで違いますので、みなさんの状況に当てはまる範囲で参考にしてみてください。

大切なのは、アナログとデジタルの良し悪しを理解し、それらを織り交ぜて上手に活用することです。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆・監修者

管理者

竹本さん

管理者

竹本さん

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