2024.05.09

介護疲れを防ぐ。自分を大切にする心と身体のセルフケア・・について。

介護疲れを防ぐ。自分を大切にする心と身体のセルフケア・・について。

日々の介護は、肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。疲れが溜まりすぎると心身のバランスを崩してしまうこともあります。そうならないように介護疲れとその対策についてご紹介します。

目次

  介護疲れとは・・

  1. 介護疲れのサイン 
  2. 介護疲れを溜めないために
  3. 介護の仕方を見直す
  4. まとめ

介護疲れとは・・

 2022年の国民生活基礎調査の概況によると、介護認定を受けている人が自宅にいる核家族の世帯のうち、要介護3以上の要介護者(介護を受ける人)がいる世帯の割合は、年々高くなっています。

また、介護度の高い人に対する介護時間は「ほとんど終日」が最も多くなっています。*1)
この「ほとんど終日」の介護が毎日続くことにより、介護者のストレスが溜まって、介護疲れが生じます。

介護疲れとは「介護による身体的、精神的、経済的なストレスによって、心身共に不調をきたしている状態」のことをいいます。

しかし、介護疲れがひどくなると、「介護離職」「介護放棄」「介護うつ」につながる恐れもあるのです。
日々の生活に追われていると介護者自身の「疲れ」に気づかないことも多くあります。

つまり、介護疲れのサインを見逃さず、早目に対処することは、自分や自分の大切な人を守れることになります。

1.介護疲れのサイン

 介護疲れは、初めのうちは誰もが感じる日々の疲れのようにも見えます。生活を維持するために、自分のことを後回しにして、疲れていても「これくらいは当たり前」などと思いがちだと、なかなか自分の変化に気づきにくく、いつの間にか限界を超えてしまう場合が多いようです。

一般的に、介護疲れのサインは、以下のような症状に現れるとされます。
介護者自身が、このような症状を感じるときには、単なる「疲れ」と見過ごさず、介護疲れの前兆かもと、捉える習慣をつけることが大切です。

 

●身体症状:とにかく疲れる(疲労感が抜けない)、頭痛、肩こり、腰痛が続く、眠れない、寝た気がしない(睡眠障害)、食べたくない、作りたくない(食欲不振)
●精神症状:イライラする、不安な気持ちになる、怒りっぽくなる、気力がなくなる、探し物が増えた、ガスや電気を消し忘れる、物や人の名前が出てこないなどの、もの忘れが増えた(認知機能の低下)、身だしなみに構わなくなった、意欲がない、気力がない、外出したくない 等

 

 

また、介護疲れを溜めてしまう人の性格の傾向として、真面目で一生懸命、相手の事を優先し自分のことは後回しにする、責任感が強く我慢強い、他人に迷惑をかけたくないなどが挙げられます。

 

そのような方は、イライラしたり、意欲がわかなくなっても、「自分が至らないせいだ」「自分が怠けている」「これくらい何とかしないと」と自分を責めてしまうことも少なくないのです。

2.介護疲れを溜めないために

自身の介護疲れをそのままにし、限界を超えてしまうと、さらに深刻な問題につながる可能性があります。

例えば、対象者に対し、感情が抑えられなくなることで、虐待や介護放棄をしてしまうかもしれません。

「自分はこんなに頑張っているのに・・」と孤独やイライラや不安を感じ、ストレスから、大切な家族(子どもや配偶者)に八つ当たりや冷たい態度をとって関係が悪化することもあります。

また、そのことで介護者本人が自分を責め、落ち込み、自身を否定する悪循環に陥ることもあります。
そうして鬱病を発症してしまうと、自傷や自死などのリスクが高くなることもありえます。

介護疲れが酷くなることは、介護者だけでなく対象者や周りの家族も辛い思いをする危険性をはらんでいるのです。こうした事態を避けるためにも、早めの対策が大切です。

介護疲れのサインに気が付いたら、まず自分の身体をいたわり、介護の仕方を見直すきっかけにしましょう。

次に、自身の心や身体のケア方法や、介護の不安に対処する方法をご紹介します。できそうなものが一つでもあれば、まずそこから始めてみましょう。

心の疲れについて


◎休息や睡眠を少しでも「しっかり」取る。

 毎日は難しくても、1日置き、または週末だけでも介護から離れ、十分に身体を休められる、横になったりできる時間を作りましょう。また、コーヒータイムを楽しむ、ちょっと座って好きなおやつを食べるなど、こまめにホッと一息つけるような時間を持つことも大切です。

◎気分転換できる趣味や楽しみを作る。

◎話を聞いてくれる他者、たとえば家族や友人に話をする。

 愚痴ってはいけない、心配させてはいけないと思わず、悩みや不安を落ち着いて話せる環境で打ち明けましょう。

◎同じように介護をしている人と交流の機会を持つ。

◎専門家に相談する(主治医、ケアマネジャー、必要に応じカウンセラーなどにも相談)。

 疲れると、自分を客観的に見ることは難しいため、主治医やケアマネジャーに相談します。

 すると、介護の経過や状況、または限界について、自身を客観視でき、有効なアドバイスも受けることができます。

身体の疲れについて

◎食事をしっかり食べるようにする(できれば栄養バランスの良い食事を心がける)。

 介護で忙しいからと、食事を抜かないようにしましょう。

◎適度な運動やストレッチなどで身体を動かし、こわばりをほぐすようにする。

 自分に合った適度な運動をすることは大切です。運動が苦手な人は、ラジオ体操程度の軽い全身運動でかまいません。
 ほんの少し身体を動かすだけでも、気分が変わります。

◎睡眠をしっかりとり、入浴等で身体をリラックスさせることで、体力を回復させる。

経済的不安について

◎介護のために離職し、介護者自身の収入がなくなることが無いように、積極的に介護休暇や介護休業の制度を利用しましょう。時短制度や、給与の一部を補償する制度を持つ会社もあります。

◎対象者にかかる介護費用については、高額医療・高額介護合算療養費の制度等、介護や医療の費用負担を軽減する制度がいくつかあります。金銭的不安について、一人で抱えず、ケアマネジャーや役所に積極的に相談していきましょう。

3.介護の仕方を見直す

 客観的に考える 

◎日常生活や介護に対して、こだわりが強い人も、介護疲れを溜めやすくなります。

「したい介護」も大切ですが、「できる介護」の視点を持つと、介護が楽になります。

 また、「子は親を介護すべき」「自宅で最期まで見守らなければならない」などの、「~するべき」「~でなければならない」という思いが強いと、自分だけでなく対象者や他の家族、支援者まで、その視点にしばりつけてしまいかねません。

日本の法律では、親や兄弟に対する扶養義務はありますが、決して自己犠牲を強要するものではありません。また、介護者が経済的に困窮したり、心身を疲弊させてまで介護することを定めているわけでもありません。

疲れを感じるなら素直に、介護生活を客観的に眺めてみることが大切です。この際、ケアマネジャーなどの介護にまつわる利害(損得)関係がない第3者と一緒に見直すことをおすすめします。

 周囲の力を借りる 

◎自分一人で介護しようとしない。頼れる人や支援があれば、可能な限り利用する。

◎介護保険制度をうまく利用し、自分や家族の負担が軽減できるよう少しずつでも手配していく。

 まずはケアマネジャーに相談し、要望を伝えていきましょう。

4.まとめ

介護の疲れは、介護者の心身のSOSであり、介護の仕方の問題点の表れでもあります。

この信号を見逃さず、早目に対応すれば、介護疲れを予防できるのです。

介護者が無理のない介護をすることで、対象者も安心して在宅で生活でき、良い状況での介護を継続できることとなります。

 

*1)厚生労働省:2022年国民生活基礎調査の概況   https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/05.pdf

厚生労働省:家族介護支援マニュアル~介護者本人の人生の支援~

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001236476.pdf

厚生労働省:国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf

内閣府:男女共同参画局 ダブルケア人口・世帯の推計

https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ikuji_3_suikei.pdf



 

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最後までお読みいただきありがとうございました。


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竹本さん

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