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2024.06.14
自身の介護を予防する。自治体サービス「介護予防・日常生活総合支援事業」の上手な活用術
自分自身が要介護・支援の状態になると、日々、不便さを感じる一方、訪問介護やデイサービスなどの利用で「一人で使える自由な時間が減った」などと思うこともあるようです。
「介護不要の暮らし」を自身で長く楽しむためには、衰えを防ぐ工夫も大切です。
そこで今回は、介護の「認定未満」でも使える高齢者向けの介護予防サービス、中でも自治体が主体となっているものについて、概要をご紹介します。
1.介護保険の対象となる65歳以上では、自立生活を選択する人が増加中
2.高齢者が、自分の健康を守れる仕組み作り
3.全国の自治体の、いくつかの実例
4.まずは相談し、専門家に状態を判断してもらう
国内では一般的に、65歳になると高齢者に該当するとして、介護保険証が自治体より届きます。
40歳以降、将来への備えとして支払ってきた介護保険費用を、いざというとき活用できる「被保険者」(第一号被保険者)になったということです。
この介護保険は、介護が必要となった際に公的援助を受けながら暮らしを支える元となります。
ニュースなどでもよく報道されているように、日本の高齢者人口の割合は高く、将来的に介護が必要になる人もこの先しばらく、増加するものとされます。
その一方で核家族化が進んだ影響などもあり、65歳以上の高齢者が1人で生活する「単独世帯」と夫婦2人だけで暮らす「夫婦のみ世帯」の割合も、それぞれ増加傾向にあります(※1)。
2050年にはこれら2種類の世帯は全世帯数のうち32.1%となり、65歳以上の世帯全数で見ると日本の世帯の45.7%を占めると推計されています(※2)。
こうした状況から「自分の生活を、なるべく自分で支えていく暮らし方」を選択する高齢者は多く、また今後も増えていくことが推測されます。
※注・参照
1)推計データでは「65歳以上の人が世帯主である」家庭を、「65歳以上の世帯」として扱っている。
2)数値とグラフは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)-令和6(2024)年推計」を参照して作成。
そのような状況のなか政府は、自分たちで暮らしを守りたい高齢者が実際、なるべく長い期間、健康な自立生活を送れるようにするための「介護予防・日常生活総合支援事業」を、2015年に立ち上げました。
この事業は介護保険の「被保険者」に対して、介護を受ける前から介護・看護を受ける生活になるまでをつないで支援するものです。
支援の実施には居住地域の住民の参加も含めており、各地の自治体(市区町村)で、実情に応じた事業を展開しています。
大きく分けて、以下の2つの仕組みから成り立っています。
対象は65歳以上で、要支援1~2に該当する方または基本チェックリスト(※3)で、「サービス事業対象者(生活機能の低下があり、要支援状態になる恐れがある人)」と認定された方です。
これまでの介護事業所によるサービスに加えて、ボランティア、NPO、民間企業、社会福祉法人、協同組合等を主体とした、自治体による独自サービスを提供しています。
※注
3)「基本チェックリスト」は高齢者の日常生活や活動の様子・程度を知るためのリスト。25 項目の質問があり、回答することで個人の状態や状況を把握できる。聞き取りは基本的に、地域包括支援センターや区保健福祉センターなどで行われる。
対象は65歳以上のすべての方と、その支援を行う人になります。次の5つの事業から構成されています。
とくに2.の一般型は多くの自治体が、介護が必要な高齢者、必要でない高齢者の両方に対し、本人や地域住民にも参加してもらいながら実施しています。それらに参加することで、地域の人たち同士で新しいつながりができたり、高齢者が新しい趣味や余暇の過ごし方を見つけられたりする可能性が生まれます。
また、地域住民だけでなく高齢者も実施担当者として参加できるものがあるので、生活の充実や、役割を担当する「やりがい」などを感じることができます。
実際に行われているものも、気になることかと思います。「一般介護予防」に当てはまる高齢者全般向けの活動事例を、いくつかご紹介します。
〇主に少~中人数で、定期的に開催する会
各地で最も多いと思われるのは、居住地域の公民館や集会所、個人宅などを開放して行われる、各種の少~中人数での集まりです。
実施する内容は季節ごとのイベントから体操、趣味系、知識勉強系、お茶会、各地へのお出かけなど、地域によって千差万別。
月に1~2回、参加費は無料~100円、プラス実費を負担する場合もあります。
会の名称も楽しそうなもの、役立ちそうなものが多く、たとえば、
おたっしゃ筋力アップ教室/貯筋グループ/口腔ケア ミニ講演会/いきいき百歳体操/高齢者マシントレーニング教室/すこやかサロン/きてくれサロン
などがありました。
〇山梨県笛吹市、東京都北区、大阪市 など「高齢者サポーター」の制度
ポイントをためて換金できる、自身がシルバーボランティアになる活動です。
例として東京都北区を挙げると、「いきいきサポーター」としてのボランティア活動制度では、
★サポーター受入施設でボランティア活動をする→スタンプをた貯められる→貯めたスタンプを交付金と交換
という仕組みになっています。
活動内容はお話し相手、洗濯物の整理、歌や踊りなどの特技披露、庭の手入れ、レクリエーションの手伝い、囲碁・将棋のお相手など。
1時間につき1スタンプ、1日2スタンプを上限とし、1年間に10スタンプ以上ためると、交付金(1スタンプ=100円)と交換可能です(ただし年間最大5,000円まで)。
〇北海道札幌市 オンライン介護予防教室
スマホやPCをもっている高齢者に、事前の声かけや町内回覧で開催を周知。オンライン参加方法を覚えてもらうための訪問指導や説明会なども行って、オンラインでの実施を目指しました。
当日は会議アプリ経由で、参加者に画面越しで集まってもらうことができ、健康講演会と体操教室を無事に開催。
スマホや会議アプリの操作をこの機会に覚えられたこと、自宅などから気軽に参加できたことなどが、好評を博したそうです。
〇新潟県 柏崎市 「テイクアウト商品」受け取り代行サービス シルバーイーツ」
シルバー人材センターが行う買い物支援事業です。有償ボランティアとして登録しているシルバー人材が、依頼のあった高齢者宅へ、テイクアウト商品をお店で受取代行してお届け。1回につき1店舗・5個までお届けが可能で、お届け手数料は1回200円です。
このように多様な会や催しがあるので、自分ができそう、楽しめそうなものに参加してみると、新しい時間や感覚、知り合いの輪などが持てるかもしれません。
介護予防・生活支援事業のサービスを受けるには、自身の今の心身の状態や暮らしの様子を、第三者に把握してもらい、適切な場へつないでもらうことが大切になります。
日常生活に手助けや外出先(集いの場など)が欲しい方は、まずは、自治体の高齢者向け窓口や地域包括支援センターへ連絡・相談してみましょう。
通常の流れであれば、そこからチェックリスト等での確認、現状の困りごとに応じた支援を受けられるかの相談、受ける場合はどのように手続きするかなどを確認して、実際の支援や参加の手続き等へ進みます。
要介護状態への移行を少しでも延ばす、無理せず介護を予防していくためには、
の3つが重要です。
ぜひ、お近くの介護予防・日常生活総合支援事業のイベントを探し、「とにかく参加してみる」ことをおすすめします。
ケア21の「介護なんでも相談室」は、介護に関するお悩みをお持ちの皆様からのご相談を、簡単な登録のみで無料でお受けします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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