2024.08.09

認知症カフェとは? 地域でつながり、ともに歩むための場所

認知症カフェとは? 地域でつながり、ともに歩むための場所

現在の日本の高齢化社会において、「認知症」は多くの人にとって身近な問題です。 認知症は症状の出具合により、ときに、ご本人とご家族、周囲の人にとって大きな負担となることがあります。 しかし、そうした負担や不安を一人で抱えこまないための取り組みがいくつか始まっています。 そのうちの一つが、地域や周りの人と支え合える集い(つどい)の場、「認知症カフェ」です。

 

認知症カフェとは?

 認知症カフェとは、1997年にオランダで始まった「アルツハイマーカフェ」が始まりとされています。日本では、2012年の「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」で、認知症の人やその家族等に対する支援として、紹介されました。

 

その後、2015年の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」では、認知症カフェが「認知症地域推進の役割をもつ」ことが明記され、普及が進みました。2021年、全国数は7,904件に及んでいます。*1)

認知症カフェは「オレンジプラン」にちなんで、「オレンジカフェ」と呼ばれることもあります。

 

カフェの、そもそもの目的は、「認知症のご本人があらためて人や地域と出会い、すべての人が認知症の深い理解 (学び)につながる機会を作ること」とされています。認知症であってもなくても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる「共生社会」を実現することを、国は目指しているのです。

 

認知症カフェは「全ての人がもっと身近に認知症について考えるきっかけの場」であり、運営は「多様な人たちによる運営を基盤として、地域の中で開催する」方式です。

地域包括支援センターや市区町村の認知症担当課、社会福祉法人、NPO、家族会などが主にカフェを運営し、集いの開催は月1~2回程度、参加料は無料もしくは100円程度のところが多いようです(開催内容によって実費の場合もあります)。

 

年齢、所属、地域などを限定しないので、認知症の診断を受けた人やその家族を含め、誰でも気軽に参加できます。そしてお茶やお菓子を楽しみながら、自由に交流したり、専門家に相談したりできます。

 

1.認知症カフェの良さ

  
 認知症カフェは、参加者に次のようなメリットをもたらすと考えられています。

当事者と家族の心の支え

 同じように認知症で悩んでいる人と出会って介護の悩みを共有し、自分なりの対応策や利用できるサービス・支援などの情報を交換すると、心が軽くなることがあります。実際に、認知症の家族会やカフェに参加されたご本人やご家族が「『たいへんなのは自分だけじゃない』と感じて、気持ちがラクになった」と話されていたことがあります。

 

こうした経験で大切なのが「自分で感じる」ということです。誰かから「あなただけじゃない」と言われるのと、自身で「自分だけじゃない」と思うのとでは、「腑(ふ)に落ちる」、感覚的に納得できる度合いが大きく違うからです。

当事者同士やご家族同士で体験や思いを語り合うと、お互いの孤独感・孤立感が軽減されます。その結果、気持ちが落ち着いて、以前よりは苦しくない感覚で生活を送れるようになります。

認知症に対する理解を地域へ広める

 病気を抱えていても、高齢になっても、出来るだけ住み慣れた家や地域で生活したいと考えるのは、人の自然な気持ちだと思います。

しかし認知機能の低下で、ゴミ出しができない、買い物ができない、自宅周辺で帰り道が分からなくなる……といった状況になると、ご本人やご家族、周囲や地域の方たちにも、戸惑いの気持ちが生まれます。たとえそれが批判的なものでなくても、「ご近所に悪いな、申し訳ないな」と気遣うことから、介護ストレス、負担感、今後の生活への不安が生まれていく可能性があります。

 認知症に対する正しい知識や理解を地域で共有して、誤解や偏見なく皆でサポートできる体制を整えられれば、認知症の人も住み慣れた地域での生活を続けやすくなります。認知症はいつ、誰が発症するか分かりませんから、このような体制をつくっておくことは、自分の未来にも関わる話と言えます。

専門家との相談が気軽にできる

 認知症カフェには、介護の専門職(ケアマネジャー、介護福祉士、看護士、社会福祉士など)が参加することが多いので、「認知症と診断されたが、介護認定は受けていない。先々の不安はあるものの、介護サービスを利用するほどではない」という人や、認知症についての知識を単に知りたい人でも、気軽に相談できます。

2.認知症カフェへの参加に際して


 認知症カフェに興味を持たれた方や、参加を検討したい方は、以下の点を確認しつつ、ご自分に合うカフェを探してみてください。

 全国的な広がりを見せている認知症カフェですが、地域によって利用できる資源や公的支援、交通の利便性などで違いがあるため、注意が必要です。

 

<確認したいポイント>

開催日時

できれば継続的に通えるよう、通いやすい曜日や時刻に開催しているカフェを選びましょう。

内容

どのような活動が行われているか、また、最近の参加者同士の雰囲気はどうか、確認してみましょう。
自由な活動や会話が心地よい人、講話・ディスカッションの時間が決まっているほうが過ごしやすい人など、さまざまな感覚の人たちが集います。

参加費用

参加費用の有無や金額などは、事前にきちんと確認しておきましょう。

アクセス

自宅から通いやすいかどうかは、参加を継続したくなったときに大切なポイントです。
送迎可能な場合もあるので、その点も知っておきたいところです。

 

いくつかポイントを述べましたが、これらを知るためにカフェへ参加するのも一つの方法です。
実際に体験すれば、カフェの雰囲気や、どのような運営目標を持っているかなどを直接、確認できます。

 

まずは気負わずに自分のペースで参加して、人や社会とのつながりを少しでも持ってみる。そうした小さなチャレンジを、認知症の有無に関わらず、自分が、やってみる。

 

この気持ちが少しずつ、無理せず自分らしいやり方でお互いの弱さを受け入れ、認め合う「地域で共に生きる(地域共生する)」くらしへつながっていくのかもしれません。

 

3.認知症カフェの探し方

 
 一般的には、お住まいのエリアを担当する地域包括支援センターに問い合わせすると、認知症カフェの情報を教えてもらえます。

市区町村の定期広報誌(○○だより)や、町村内の回覧板へ情報が記載されていることもよくあります。

また、インターネットの検索画面に、お住まいの市区町村名の後、1文字空けて「認知症カフェ」と入力・検索すれば、地域の認知症カフェの情報が出てきます。

 

予約なしで自由参加のところがほとんどなので、日時や場所、行き方だけを確認するだけで大丈夫ですが、開催予定が変更になる場合もあるので、前日にネットや電話で情報を確認しておくと安心です。

 

 最後に繰り返しとはなりますが、認知症カフェが地域社会で果たす役割には「認知症の有無にかかわらず、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる『共生社会』の実現」があります。

認知症カフェに関わるすべての人が認知症について考え、より学んで理解することによって、地域社会が少しずつ変わっていくのだと思います。

よろしければまずは一度、「認知症カフェ」に参加してみませんか?

 

 


注・参照)

*1)
令和 4 年度⽼⼈保健健康増進等事業(⽼⼈保健事業推進費等補助⾦) 認知症カフェの類型と効果に関する調査研究
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001128627.pdf

私たちの認知症カフェ:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000521784.pdf

認知症ケア研究誌 5:24-29,2021 地域実践報告 A県における認知症カフェ事業の現状と運営課題
https://www.dcnet.gr.jp/pdf/journal/t_2021_TJDCR21004.pdf

厚生労働省:認知症カフェの実態に関する調査研究事業
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/97_touhokuhukushi.pdf

公益社団法人 認知症の人と家族の会 認知症カフェのあり方と運営に関する 調査研究事業 報告書
https://www.alzheimer.or.jp/pdf/cafe-web.pdf

東京都デジタルサービス局 楽しくスマホ操作を覚えて 認知症カフェに参加しよう
https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/digitalservice/guideline_02_03-1

 




 

 

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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