2024.08.23

高齢者の認知症による物忘れと加齢による物忘れの違いとは?それぞれの特徴について。

高齢者の認知症による物忘れと加齢による物忘れの違いとは?それぞれの特徴について。

年齢を重ね、「人の名前が出てこない」「鍵をかけたがどうか忘れた」などの物忘れをすることは、誰でも経験があるのではないでしょうか。  全ての物忘れが認知症の始まりとは限りませんが、物忘れの症状は、認知症以外の疾病でも起こることがあるので注意が必要です。ここでは、「認知症による物忘れ」と「加齢による物忘れ」、それぞれの一般的な特徴について考えていきます。

認知症とは

 認知症は「さまざまな疾病を原因とする脳の障害により認知機能が低下し、日常生活に支障をきたした状態」をいいます。

個人差はありますが、記憶障害や理解力・判断力の低下、言語に関する障害、視空間能力の低下、性格の変化などがみられます。

 

現在、残念ながら、認知症を完治させる治療法は確立されていないようです。
しかし、早期発見・早期対策により、症状の進行を遅らせることが期待できるとされています。

 

加齢による物忘れの特徴

 まず、政府が公表している、加齢による物忘れと認知症による物忘れの違いをお見せします。

出典:政府広報オンライン 医療・福祉「知っておきたい認知症の基本」 2023年8月16日
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html

このように、加齢による物忘れの場合は、「特定の出来事や言葉を突発的に忘れる」ことが多いようです。

例えば、「テレビに出ているタレントさんの名前がすぐに出てこない」、「知人や親戚の人の名前を忘れてしまう」などは、日常的によくあるのではないでしょうか。

 
加齢による物忘れであれば、五十音の「あ」から順番に確かめていったり、ヒントになる言葉や名前を誰かに出してもらうなどすれば、思い出せることがよくあります。また、その時には出てこなくても、後からふと思いだし「あ!そうそう」となることも少なくありません。


そして加齢による物忘れでは、日常生活動作(着替えや買い物、調理など)などの、これまでの生活で身につけた行為を忘れることはなく、判断能力の低下もみられません。

そのため、メガネなどの探し物をしても「さっきまでかけていた」「顔を洗うときに外した」などと自分の行動をさかのぼったり、過去に自分が置き忘れたことのあるところを重点的に探したりします。
つまり、自分が物忘れをしているという自覚があるのです。

 

認知症による物忘れの特徴

 認知症による物忘れは、加齢による物忘れと違い、本人に自覚がありません。
その分、日常生活に大きな影響を及ぼします。

最近あったことを忘れる「短期記憶障害」や、過去の出来事を忘れる「長期記憶障害」、これまではできていたことが、できなくなる「手続き記憶障害」などに分類することができます。

*短期記憶障害
新しいことが覚えられず、最近の出来事を忘れる。例えば、食事をしたことを忘れ、何度も「ごはん、まだ?」と尋ねたり、さっき話した会話の内容を忘れ、同じ話を何度も繰り返したりする。

*長期記憶障害
昨日の出来事を全く覚えていない。過去の出来事も、出来事があったこと自体を覚えていま
せん。昨日、買い物で何を買ったかを忘れるのではなく、買い物に出かけたことそのものを忘れる。

*手続き記憶障害
 これまで自然にできていたこと、たとえば、掃除機の使い方や、洗濯物のたたみ方、自転車の乗り方など、日常生活で身についているようなことができなくなる。



記憶障害以外にも、認知症の初期には以下のような症状がみられることがあります。
 

*判断力や理解力の低下
複雑な計算が難しくなって、買い物の支払いでお札ばかり使ってしまう。
時間の感覚がずれてくる。昼夜の区別がつきにくい。
これまではしなかったような行動や、間違った行動をする。
鍋やフライパンを焦がし、そのまま放置する、冷蔵庫へテレビのリモコンや入れ歯をいれてしまう、等。

*注意力の低下
会話に集中できない。一つのことを最後までやり終えられない。

*言語の障害
話したいことがあっても、言葉が出てこない。日常で使っていた言葉の意味が分からなくなる。
読み慣れた新聞や、本を読むのが難しくなる。

*視空間認知機能の障害
通い慣れた道や場所が分からなくなり、道に迷いやすくなる。

*行動・心理症状
意欲の低下や、少しのことで怒りっぽくなるなど性格の変化。
周りの人に対して疑い深くなることもある。

 

 認知症による物忘れは、日常的に何度もおきます。置き忘れなどの探し物では、せっかく見つかっても、数時間後には、また失くして探し回ることもよくあります。
自分が収納した行為自体を忘れているので、ヒントを出しても、思い出すことができません。
探している間も不安感が強く、自分が置き忘れたのではなく、誰かに盗られたと考えてしまう方もいます。

このように、物忘れをしているという自覚がないことが、認知症の大きな特徴の一つです。

 

物忘れが気になったら。

 それぞれの物忘れの特徴を比べてみると、ある程度の違いが見えてきますが、認知症そのものは、決して単純ではありません。
物忘れや認知機能の低下は、そのすべてが加齢や認知症によるものというわけではなく、他の病気や一時的な体調不良が原因の場合もあります。

ご自身やご家族のどなたかに、少しでも気になる症状があれば、安易に判断されず、早めに専門医を受診されることをおすすめします。

 

また、認知症についてご心配な方は、お近くの地域包括支援センター(認知症初期集中支援チーム等)や、各市区町村の保健福祉センターなどで相談ができます。

 

 


出典・参考
政府広報オンライン 医療・福祉「知っておきたい認知症の基本」 2023年8月16日
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html

厚生労働省 「認知症ケア法 認知症の理解」
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf






 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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