2024.10.11

訪問マッサージと訪問リハビリ:あなたに合ったサービスを選ぶ

訪問マッサージと訪問リハビリ:あなたに合ったサービスを選ぶ

最近は、慢性の病などにより介護が必要になっても、自宅で療養される高齢者が増えています。 高齢者向けの在宅サービスとして、訪問マッサージと訪問リハビリは注目されつつありますが、「両者の違いがよくわからない」とおっしゃる方も少なくありません。 そこで今回は違いも含め、それぞれについて簡単にご説明していきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

訪問マッサージとは

 訪問マッサージとは、一人で通院できない人が、自宅や入所施設でマッサージを受けることができるサービスです(受け入れができない仕組みの施設もあります)。

加齢や日常生活での疲労、肩こりなどは、全額が自費の、自費(自由)診療となります。それ以外に、麻痺(まひ)や関節の拘縮*1)の改善が目的の、医療保険が適用できる訪問マッサージがあります。

ただし、医療保険が適用されるのは、医師の診察で「マッサージ等が必要」と診断され、医師の同意のもとで行われる場合です。
関節の痛みを軽減する、筋肉の緊張を和らげる、血行を促進する、などの目的で施術が行われます。
また、医療保険によるあんま、マッサージ、指圧等を行えるのは、「あん摩・マッサージ・指圧師」の国家資格を持つ施術者のみとなります。

*1)拘縮(こうしゅく)…関節を無理なく動かせる範囲が狭くなって、関節が固定されかけた状態


【訪問リハビリとは】

 訪問リハビリは、基本的に要介護1以上の認定があり、通院や通所によるリハビリが困難な方、かつ、主治医が「自宅でのリハビリが必要」と認めた人が対象で、介護保険が適用されるサービスです。

訪問リハビリは、主治医の指示書をもとに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがリハビリテーション実施計画を作成して、心身機能の回復や維持向上のため行われます。

 例えば、骨折や脳梗塞で手術を行って退院したあとに運動機能が低下して、自宅での家事や入浴等、日常生活の動作が困難なることがあります。
訪問リハビリでは、こうした「日常生活動作」の回復、維持、向上を目指します。
具体的には、寝返りや起き上がり、室内外での歩行、立ちすわり、トイレでの一連の動作、食事や水分の飲み込みや、声がうまく出せるようになる、などがあります。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門家に、利用者の心身の状態に合わせて、必要なリハビリを担当してもらうことができます。

 なお、要支援1・2の認定を受けた人が主治医の指示書をもとに訪問リハビリを受ける場合は、介護予防訪問リハビリになります。また、64歳以下の人や65歳以上の人でも要介護認定を受けていない方であれば、病気等の理由から、医師より「自宅でのリハビリが必要」と診断された場合、医療保険制度を利用した訪問リハビリが受けられます。介護保険との併用はできないため、介護保険の認定を受けている方は介護保険が優先になります。

・高齢者が受けられる、訪問リハビリと訪問マッサージの主な違い・

 

【リハビリとマッサージ、どちらを選べばいいの?】

 訪問リハビリと訪問マッサージは、どちらも自宅に有資格の専門家が訪問し、施術する点で共通していますが、どちらのサービスが良いかは、ご自身の状態や目的によって異なってきます。

*目的に合わせて*

身体の痛みや緊張をやわらげることを目的とする場合は訪問マッサージ、
運動機能の回復や日常生活動作の改善が目的の場合は訪問リハビリが適していると考えられます。

 

*自分の状態によって*

運動やリハビリについてのご相談で、「医師に『歩かないといけないよ』と言われるけれど、歩けない」「むくみで、足が重たくて仕方がない」「そもそも足が上がらない」といった悩みをお伺いすることがあります。

足のむくみの軽減にはもちろん、足の筋肉を動かすことや歩くことが有効ですが、むくみの程度によっては、それすらつらくて無理、とおっしゃる方も少なくありません。この段階ではまず、気持ちのつらさや身体の痛みをやわらげて、ご自身が「足を動かすこと」へ前向きになれるようにしていくことも大切なのです。

 しかし「リハビリ」という言葉で、やる気になれる方と負担に感じてしまう方がいらっしゃいます。ちょうどつらい気持ちの時期の方なら、なおさら「こんなにむくんでいる状態で、自分なりに頑張っているのに、まだ『頑張れ』と言うのか」と感じられるのも、無理はない話です。そのようなとき、「リハビリ」はイヤだけれど「マッサージ」なら……と、受け入れていただけることがあります。



*似ているところ*


訪問マッサージで、マッサージの後に「軽く動かしてみましょうか?」などと、関節の可動域を確認したり、患部を動かすときに少し、施術者が手で負荷をかけるなどをしてもらえることがありますが、基本的に医療保険で行う訪問マッサージでは歩行訓練や機能訓練などは行われません。

 訪問リハビリでは、治療法の一部としてマッサージを取り入れることがあります。リハビリのマッサージは、理学療法士が、医師からの具体的な指示によって、ほかの筋力トレーニングや体操などと同じ「治療法」の一つとして行っています。

なかにはマッサージが気持ちよくてつい「マッサージだけ、してもらいたい」「マッサージが物足りない」などと言われる方もおられるようです。
ですが、訪問リハビリの目的はあくまで機能回復や動作改善です。マッサージも痛みの軽減や癒しを目的とした専門的なものではないことを、ご承知おきください。

【訪問マッサージ・訪問リハビリの併用】

 目的や施術者などに違いがある2つのサービスですが、原則、訪問マッサージは医療保険、訪問リハビリは介護保険が適用されるため、併用が可能です。
ご利用者の身体状態や状況により、両方のサービスを併用することで、相乗効果を期待することもできます

例えば、マッサージで痛みを和らげながら、リハビリで運動機能を回復させる方法もあります。
最初は訪問マッサージから始めて訪問リハビリへ段階的に切り替える、あるいは介護保険サービスを上限額まで使っているため、訪問リハビリの代わりに医療保険で行える訪問マッサージで、できる限りの支援を行う、といった例もあります。


 このように、訪問リハビリや訪問マッサージを上手に利用するためには、その目的や施術内容などの違いを理解し、ご本人の状態や希望に合うものを選ぶ必要があります。検討する際には、ケアマネジャーや主治医、事業者(施術者)と事前にしっかり話し合うことが重要です。ご希望が訪問マッサージのみで、介護認定を受けていない方は、まず主治医にご相談されることをおすすめします。

 


参考・参照

全国健康保険協会/はり・きゅう・あん摩・マッサージのかかりかた
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3080/r140/

厚生労働省 令和5年7月24日 社会保障審議会 介護給付費分科会(第220回) 資料4
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123920.pdf




 

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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