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2025.01.31
訪問介護:住み慣れた家で、自分らしく暮らすための支え
高齢化の進む日本では、介護を必要とする高齢者の数も増えています。そんな中、高齢者ができるだけ「住み慣れた地域で、自分らしく暮らす」ため重要な役割を果たすのが、「訪問介護サービス」です。 今回はその訪問介護について、どのようなサービスか、また、その果たす役割等について詳しくご紹介します。
訪問介護は、介護福祉士や「介護職員初任者研修」の修了者など、専門資格を持つ訪問介護員が行う、介護保険のサービスです。要介護認定(要介護1~5)を受けた方が希望すれば、ご自宅を訪問して必要な介護や支援が行われます。
*要支援1,2の方は、市町村による「総合事業」が提供する訪問型サービスを受けられますが、サービスの内容や料金などに違いがあります(詳しくはこちらのコラムへ → 総合支援事業 )。
訪問介護では主に、下記のようなサービスが提供されます。内容によって、費用は変わります。
【身体介護】
食事、入浴、排せつ、着替え等、身体に直接触れて行う介護
・食事介助
…食事内容を食べやすいよう工夫し、食事の介助や見守りを行う
・入浴介助
…安全に入浴ができるよう、身体を支えたり、洗ったりする
・排泄介助
…トイレまでの移動の介助や、下着やオムツの交換、後始末、
清潔保持を行う
その他、通院・買い物同行など
【生活援助】
調理、洗濯、掃除、買い物等、日常生活に必要な家事支援
調理… 栄養バランスを考えた食事を調理する
買い物…日常生活に必要な食料品や日用品の買い物を代行する
その他、洗濯、掃除、薬の受け取りなど
【通院等乗降介助】
指定や許可をうけた訪問介護事業者の訪問介護員等が
自らが運転する車両で利用者に通院等の送迎を行います
(送迎だけでなく乗降の介助や受診の手続き、移動介助な
ども併せて行う)
さらに、日常生活の相談や助言、介護方法についてのアドバイスなどを行って、利用者の精神的・心理的サポートや家族の介護負担の軽減もはかります。
高齢になって日常生活に不自由を感じていても、家族や親族以外の人の手を借りる事への抵抗感があったり、自分でまだできる、といった気持ちがあって、介護サービスを受けることに迷いや抵抗のある人は少なくありません。
とはいえ、下記のような状況が見られたら、訪問介護サービスの利用を検討してみましょう。
① 膝や腰の痛みで、階段の上り下りが辛い、重いものが持てない、屈めない、立ち作業がつらいなど、日常生活動作に不自由する。
また、歩行が不安定で転倒が増えた、馴染みのスーパーまで歩いていけない、調理、洗濯、掃除など日常の家事が負担で、不自由さを感じるようになった。
② 何度も同じことを聞く、物を探すことが多い、予定が覚えられないなど、もの忘れが目立ってきた。
③ 本人の心身の状態変化や、家族の事情によって、介護を続けることが難しくなった、または、介護負担が増えている。
訪問介護の良さとして、介護が必要な状態になっても、住み慣れた自宅で、出来る限り自分らしい生活を安心して続けられることが挙げられます。訪問介護には、ほかにもいろいろな効果が期待できます。
【自立支援・生活意欲の向上・孤立予防】
訪問介護では、出来ないことを単に代行するだけでなく、できるだけ自分で行えるように支援を行うことが基本となっています(自立支援)。
そして、介助を受けつつ自分にできることを続けたり、増やしたりすることで、ご本人の自尊心や生活意欲の維持・向上につなげていきます(生活意欲の向上)。
また、訪問介護員(ヘルパー)との関わり・コミュニケーションという形で、他者との交流や社会とのつながりを持てることで、孤独感が解消され、孤立を防ぐことができます(孤独感や孤立の解消)。
【心身機能の維持改善・医療と介護の連携】
介護の知識や経験を持つ訪問介護員から、適切な介護を受けることで、ご本人の心身の状態悪化を防ぎ、維持・改善が期待できます。(心身の機能維持改善)。
訪問介護員が支援を行って、ご利用者の褥瘡(じょくそう)や誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、認知機能の低下等のサインに気付き、早期に対応して悪化を防げたケースは多くあります。
さらに必要に応じ、主治医など医療機関と連携すれば、健康管理がしやすくなってより安心した暮らしを送れます(医療と介護の連携)。
【家族の介護負担の軽減】
家族など介護を担当する人は身体的にも精神的にも負担が大きく、介護疲れや介護者の孤立につながることもあります。
サービスを利用することで、介護者にも時間の余裕ができ、気分転換、ほかの家事や仕事ができる、休息がとれるなど、身体的・精神的負担軽減が可能になります(介護負担の軽減)。
*利用には手続きが必要
要介護認定の申請やケアプランの作成など、サービスを利用するためには一定の手続きが必要になります。
訪問介護の必要性を感じたら、早めに地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談しましょう。
*時間や内容には制限がある
介護保険制度を利用した訪問介護は、ケアプラン*に基づいてサービス内容や提供時間が決められます。そのため、決められた時間を超えたサービスや、ケアプランにない支援を希望しても、対応が難しいことがあります。
※注)ケアプラン…介護保険サービスを使うための計画書 (利用者の心身の状態、生活状況・環境、希望をふまえて、必要な支援内容と目標をまとめた計画書)
*プライバシーの保護による信頼関係の構築
訪問介護員はご利用者の自宅に入って支援を行うため、プライバシーへの配慮と保護はとても重要です。訪問介護員が、守秘義務やプライバシー保護・配慮を厳守するのは当然ですが、受け入れる側も、利用者やご家族のプライバシーを守れるよう環境を整えましょう(ヘルパーが入るスペースのエリア分け、貴重品の管理方法の工夫など)。お互いに安心できれば、信頼関係を築きやすくなります。
*緊急時の対応
訪問介護では基本的に、訪問時刻とサービス提供時間が決められており、緊急の対応は難しいことが多いです。緊急時訪問の体制をとっている事業所もあります が、その対応内容は、事前にしっかり確認しておきましょう。
医療機関や民間の緊急対応サービスを併用する方法もあります。費用は介護保険の適用外となりますが、必要ならケアマネジャーへ相談し、まず情報を集めることをおすすめします。
*事業所を選ぶには
介護事業所の情報は、インターネットで検索することもできます。知人が勤めていたり、利用しているなどで、その事業所をすすめられた場合、良い面だけでなく、気になるところの情報も事前に確認しましょう。
事業所を選ぶ際の最も大きな決め手は「希望の曜日・時間帯にサービスが提供できるか」ですが、ほかに、何かあった時の対応、情報共有のしやすさ、連絡のつきやすさなども、選ぶうえで大切なポイントとなります。
また、従業員が多かったり、自費サービスに対応している事業所なら、時間の都合がつきやすかったり、介護保険外の支援も(自費で)受けられるメリットがあります。
利用を検討したい事業所があれば、遠慮なく担当のケアマネジャーに相談してください。利用にあたっては、ケアマネジャーから事業所へ連絡し、連携していくことになります。
さらに、事業所選びはケアマネジャーに一任することもできます。その場合は「なぜその事業所なのか」という選定理由を、必ず確認いただければ安心です(ほかの介護サービス事業者選択でも、同じことが言えます)。
*情報を共有する
訪問介護のサービス内容や、利用者の様子・状況などは、できれば毎回、把握しておきたいところです。サービスの提供記録(書類またはデジタル画面で残される記録)を確認できる仕組みや、ノート、LINEなどで情報共有できる仕組みを作ると、確認がスムーズに行えます。
訪問介護サービスは、利用者の心身の状態、生活状況、要望に応じて作成される「ケアプラン」をもとに提供されます。
場合によっては福祉用具、デイサービス、訪問看護等の在宅サービスと組み合わせるケースもあります。その方に必要なサポ-トを受けることで、充実した在宅生活が可能になります。
ご利用にあたっては、事前に状況や希望を確認してもらう必要があるため、まず担当のケアマネジャーにご相談ください。ケアマネジャーやサービス事業所としっかり話し合って調整できれば、よりスムーズなサポートへつながります。
もし、要介護認定をまだ受けていないなら、居住エリアを担当する地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当窓口へご相談ください(要介護認定を受けるには、一定の条件があります。詳しくはこちらのコラムへ →ざっくり解説「介護保険制度」! 知っておきたい基本のサービス)。
困ったことを相談できるケアマネジャーや、訪問介護などの介護サービスを上手に活用し、住み慣れた地域で自立した生活を永く続けていただけることを願っています。
参考:
総務省 訪問介護における通院等乗降介助(いわゆる「介護タクシー」)
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