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2025.05.16
ケアマネジャーとは? ~在宅と施設、それぞれの生活を支える専門職~(後編:施設)
前回の記事では、在宅生活を支援するケアマネジャーについてご紹介しました。今回は「施設で暮らす人」の生活を支援するケアマネジャー、主に介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、有料老人ホームのケアマネジャーについてお伝えします。
老健は、病院での治療が終わって退院することになっても、そこですぐに自宅へ戻ることが不安な人が、通常3ヶ月を目安に入居し、在宅復帰を目指してハビリを受けながら暮らす施設です。
この施設のケアマネジャーは、医師や看護師、理学療法士、介護職など施設内の多職種との連携、さらに自宅に戻ってからの生活を支える介護支援チーム(在宅ケアマネジャー、訪問介護、訪問看護、福祉用具レンタル等)との連携において、重要な役割を果たすことになります。
たとえば介護を担うことになる人が「(要介護者が)自宅へ戻るなら、トイレには一人で行けるようになってもらいたい」「自宅は古い家屋で、段差があちこちにあって歩きづらいと思う」「自宅のお風呂は滑りやすく危険」といった不安や課題を抱えていた場合、老健施設のケアマネジャーへ相談して対策を練り、要介護者の帰宅に備えることができます。そして退所の際には在宅生活を支えるケアマネジャーと連携し、在宅支援へつなぎます。
また、老健の利用は退院時だけでなく、「入院治療は必要ないが、身体の状態悪化で在宅生活が難しい。リハビリやケアを集中的に受けて回復したい」という時にも利用できます。その場合も、老健ケアマネジャーと在宅ケアマネジャーが連携して支援を行います。
特養は、基本的に要介護3以上と認定された方が、介護を受けながら安心して生活できる公的施設です。
特養のケアマネジャーは、介護職員や看護師、栄養士などと協力し、本人の健康・身体状態、生活歴や現在の思いや希望をもとに、入所者の暮らしを支えるためのケアプラン(介護計画)を作成します。
ケアプランは、施設ごとに介護体制や環境に違いはありますが、「可能な限り、その人らしい生活が送れること」を目指します。
本人からの「最期(看取り)まで施設で過ごしたい」など「ああしたい、こうしたい」という希望・相談だけでなく、家族からの「施設での生活になじめるか?」「面会や連絡はどれくらいの割合がいいか?」「もっといろんな人と話をしてもらいたい」、「認知症状が悪化し、医療のケアが必要になったら?」等、日常生活から終末期ケアまで相談できます。
グループホームは認知症の診断を受けた方が、少人数で共同生活を送る施設です。職員の見守りや支援を受け、自分でできることはできるだけ自身で行いながら、家庭的な雰囲気の中、穏やかに自分らしく過ごすことを大切にしています。
この施設のケアマネジャーは、日常の活動を職員や本人と一緒に行うことが多いため、本人の「できること」や思いを把握しやすいと言えます。そこで認知症の進行を穏やかにしたり、本人の自尊心を保つための支援計画がケアマネジャーによって組まれ、それに沿って実際の取り組みが行われます。
また、「認知症が進行しても施設で生活できるか?」「会うたびに物忘れが進んでいるように思うが、家族としてどうすればいいか」など施設での生活に関すること、認知症に関する悩みなどについても相談ができます。
有料老人ホームの多くは民間による経営で、介護付きや住宅型などタイプの違いで、設備やサービス、利用料金が変わります。入居者も自立・要支援から重度の介護を必要とする介護度の高い人、常時の医療ケアを必要とする人など様々です。
ケアマネジャーは施設の環境を踏まえ、入居者の心身の状態や希望に応じて、医療ケアや終末期ケアなど重度の介護を必要とする人、支援を受けて外出や趣味活動を楽しみたい人など、その人に合う生活が送れるよう個別の支援計画を立てます。
さらに民間施設のメリットとして、介護保険範囲内の支援だけでなく、施設独自のケアや自費サービスなどが充実していることも多いため、それらを活用することで本人の希望に沿った、より細やかな支援を受けやすいと言えます。
本人の生活状況(在宅か施設か)や、要介護認定を受けているかどうかなどによって、身近で支援するケアマネジャーの立場や役割が変わります。
違いを理解しておくことで、「どんな相談ができるのか」「どこまで支援してもらえるのか」「なぜ別の窓口や相談機関を紹介されたのか」などが理解でき、より相談しやすくなります。
まれに「介護を巡る家族の問題や相続問題」など親族間トラブルについて、仲裁役をケアマネジャーに求める方もいます。もちろん様々な相談をすることは問題ありませんが、「家族で話し合ってください」「こちらでは対応できません」と言われ「ケアマネジャーなのに、何もしてくれない」と不満を感じてしまう方もいるようです。
けれども、ケアマネジャーがそれぞれのご家族に一方的に介護の役割を割り振ること等はできませんし、相続など法的な相談を受けることもできません。
たとえば家族間の介護負担については、ケアマネジャーとして「サービス担当者会議」を開催し、そこで介護支援の現状について話し合いの場を設けることは可能です。実際にこの会議の場で、介護の問題を家族や親族、支援者を交えて話し合ったことで、結果的に家族間のトラブルが解決することもよくあります。
しかし当然ながら、相続などの法的な問題は専門の相談機関(法律の専門家や法テラスや家庭裁判所等)をご案内することになります。
ケアマネジャーは、それぞれの所属は違っても「その人が暮らす場所で自分らしく安心して生活できる」ことを目指して支援を行っています。ご自身やご家族の担当ケアマネジャーと、よりよい介護を目指していただけるよう願っています。
参照:厚生労働省:介護支援専門員 PDF形式 2014年7月公開
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf
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