2025.06.06

梅雨の熱中症~熱中症は『夏だけ』と思っていませんか~

梅雨の熱中症~熱中症は『夏だけ』と思っていませんか~

梅雨の期間(5月~9月)の熱中症による救急搬送者数は年々増加しており、その中でも65歳以上の高齢者が半数以上を占めています。今回は熱中症の症状を再確認し、その対応や対策についてご紹介していきます。

そもそも、日本の梅雨とは

 

気象庁は晩春から夏にかけ雨や曇りの日が多く現れる期間」を『梅雨』と定義しています。

昨年の梅雨入りは、一番早かった地域が『沖縄』の5月21日頃、一番遅かったのが『東北北部』の6月23日頃でした。梅雨入りから梅雨明けまでの30日~40日間ほどは、ジメジメと湿度の高い日が続きます。

 

梅雨の時期は、雨が降ると気温が下がったり、昼夜の気温差も大きくなりやすいうえ、夏に向けて暑さに身体を慣らす時期でもあるため、体調管理には特に注意が必要です。たとえば肌寒く感じても湿度が高い日だと、体温調節が追い付かないときがあります。

そのような日には、寒くならないようカーディガンなどを羽織りつつ、エアコンの冷房やドライの機能を使って湿度を下げるなど、工夫が必要です。

 

 

熱中症になったとき、身体はどんな状態?

 

高温多湿な環境で、「発汗による体温調節等がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態」のことを熱中症といいます。屋外だけでなく室内でも、たいした活動を何もしていなくても発症することがあり、時には死に至る可能性さえもあります。

 

 

熱中症で救急搬送される人って、どれくらいいる?

 

総務省の調べでは、全国で熱中症により救急搬送された人は、2024(令和6)年の5~9月に約9万6千人で、調査開始以降、最も多い人数となっています。

 

≪月ごとの人数≫

 

5月:約   2,800人

6月:約   7,200人

7月:約 43,000人

8月:約 32,000人

9月:約 11,000人

 

この数字を見て『やっぱり夏のほうが多いから、梅雨にそこまで心配いらないんじゃない?』『夏に比べれば少ないけど、油断はできなさそうだな』など、いろいろな受け止め方があると思います。しかし熱中症の危険がある以上はやはり、何らかの備えをすることをおすすめします。

 

≪年齢別にみてみると?≫

 

テレビなどで、学生が熱中症で搬送されたニュースを目にすることも多いと思いますが、先の数字を年齢別でみると、 65才以上の方が全体の約60%と最も多くなっています。

 

搬送者の6割が高齢者だと聞くと、その危険性が分かっていただけるのではないでしょうか。ご自身で後悔しないためにも、もう少し詳しく熱中症対策・予防策を確認しておきましょう。

 

 

発生する場所、実は「住居」がNo.1

 

熱中症は屋外でよく発生すると思われがちですが、発生率では『住居』が38%で第1位。2位の『道路』と比べ、約2倍の多さになっています。

 

≪わたしは大丈夫!なんて思っていませんか≫

 

では室内で、どんなふうに熱中症が起こるのでしょうか。家事の合間にちょっと一息、休憩したり昼寝をしたり。こんなときに、体内で熱がこもっていたり、水分不足になっている可能性があります。動いていない時ほど、 暑さを感じにくいので注意が必要なのです。

室内で長時間過ごしているとき、複数の家事を続けて行うときなどに、まずは意識的に室温計・湿度計を両方確認する習慣をつけていきましょう。

 

 

熱中症の症状

 

熱中症になった場合、状態が進行するにつれ、症状が次のように変化することがあります。

 

~初期に起こりやすい症状~

 

 

このような症状を自覚したときには、取り急ぎの応急処置をしましょう。

 

~応急処置~

 

 

上記を行ってみても症状が改善されない場合は、迷わずに医療機関を受診してください。

熱中症は、命にもかかわります。自身だけでなく、周囲の人の反応や応答などがおかしいと思ったら、ためらわずに救急車を呼びましょう。

 

≪後悔しないために≫

 

目の前で倒れている人や苦しんでいる人を発見した時は、想像以上に慌ててしまい何もできない場合があります。症状や応急処置を確認しておくことは、ご自分や大切な誰かを守ることにもつながります。「何もできなかった……」と後悔しないためにも、しっかり対策できるよう準備しておきましょう。

 

≪自宅で出来る対策≫

 

 

 

最後に

 

昔と比べ、初夏から気温や湿度は高くなっていますが、『まだ6月』などと暑くても我慢される方はおられます。高齢者の方は特に、エアコンは電気代が高い、身体に悪い、等で使用をためらうことも多いようです。

しかし、予防のためには室温や湿度に注意し、こまめに水分をとる必要があります。

のどのかわきに気づいてからではなく、『のどがかわく前に定期的に飲む』を心掛けましょう。

 

また高齢者の中には、「暑い」ことに気づいていない方も多くおられますので、ご家族間で『室温が○○℃になったら冷房をつける』『湿度が○○%になったらドライをつける』といったルールを決めるなど、体感ではなく数値を確認するようにしましょう。

 

梅雨のこの時期から対策をしておくことが、本格的な夏の熱中症対策にもつながります。

繰り返しになりますが、暑さに気づいてからでなく『暑くなる前』の対策が重要です。

2025年の5~7月は暖かい空気に覆われやすいため、全国的に気温が高くなると発表されています。今年も暑い梅雨、暑い夏がやってきそうです。暑くなる前に、熱中症対策を行って、夏を乗り切っていきましょう。

 

 


 

参照:

国土交通省 気象庁「雨・雪について」

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html

 

国土交通省 気象庁「令和7年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」

https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html

 

厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/

 

総務省「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000974432.pdf

 

内閣府 政府広報オンライン「熱中症特別警戒アラートとは?発表時の対策と熱中症予防のポイント」

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201206/2.html





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執筆・監修者

ケアマネジャー

松岡さん

ケアマネジャー

松岡さん

【経歴】

施設での介護職・居宅支援事業所と施設でのケアマネを経験してきました。

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