2025.07.04

「ただいま」と言える場所 ~グループホームは第二の家~

「ただいま」と言える場所 ~グループホームは第二の家~

「ただいま」と言って家に帰ると「おかえり」と笑顔で迎えてくれる、 そんな日常のやり取りは、いつも安心感を与えてくれます。 しかし、年齢を重ね、認知症を発症して介護が必要になると、家族と生活するのが難しくなることがあります。 グループホームは、そんな高齢者の方々が「第二の家」として安心して暮らせる場所です。 本記事では、筆者の介護現場の経験をもとに、グループホームがどのような場所なのかご紹介していきます。

『グループホームってどんな場所?』

グループホームは認知症の診断を受けた高齢者が、専門のスタッフによる

支援を受けながら、少人数で(9人以下の「ユニット」と呼ばれる

グループに参加して)共同生活を送る施設です。

入居できるのは、施設がある市区町村の地域にお住まいの方なので、

住み慣れたエリアで家庭的な感覚で暮らせます。

また、入居者一人ひとりの生活リズムや習慣を大切にし、

食事の準備や掃除、洗濯などの日常生活は、スタッフと一緒に行います。

このようにグループホームのメンバーは、入居者もスタッフも自分で

できることを大切に守って認知症の進行を緩やかにし、

心身の活力を保つことを目指していきます。

また、季節の行事や地域との交流、レクリエーションなども

積極的に行い、入居者が生きがいを持って生活できるような工夫もします。

少人数ゆえにスタッフと入居者、あるいは入居者同士の距離が近く、

家庭的で温かい雰囲気の中で安心して暮らせる、というのが

グループホームの特徴です。

 

【実例①】要介護2 80代女性 Aさんのケース

 グループホームに入居して間もないAさんは、新しい環境に戸惑い、

ほとんどの時間を自室で静かに過ごされていました。

ある日、リビングにて過ごされているAさんへ、スタッフが

『お手伝いをお願いしてもいいですか?』と声をかけると、

『私にできることなんてないわよ』と断られましたが、

スタッフが一緒にやると伝えたところ、興味を持ってくださいました。

そこで、リビングのテーブル拭きをお願いすると、

Aさんはとても丁寧にテーブルを拭いてくださいました。

作業を終えた後には、Aさん自ら、次の作業を尋ねてこられたのです。

この日をきっかけに、洗濯物たたみや洗い物などをAさんは

毎日のようにやってくださるようになり、

自室内での一人の時間も減っていきました。

ご家族は、『入居当初は不安そうにしていたものの、

今ではここを自分の場所と感じているようだ』

と話してくださっています。

 

【実例②】要介護3 90代男性 Bさんのケース

グループホームに入居されて半年になるBさんはある日、

スタッフへ『欲しいものがあるのだけれど、買いに行けないかな?』

と声をかけてこられました。

施設の近隣にはスーパーなどがなく、車を使用する必要が

あったため、その日のうちにご家族に連絡を取り、

後日持参していただく段取りとなりました。

けれども、Bさんは「その日に食べたいものを、

自分で選んで買いたい」という思いが強く、

自らお店に足を運ぶことを希望されました。

そこで、施設側は1週間に1回、移動スーパーを手配し、

Bさんがご自身で商品を選んで購入できる環境を

整えることとしました。

移動スーパーが来るようになってからのBさんは

買い物の楽しみを味わい、自分の意思で欲しいものを

手に入れることができるようになったと大変喜んでおられました。 

 

この実例①②からもわかるように、テーブル拭きなどの小さな役割、

買い物などが達成感や充実感を生み、その人の行動や交流の幅が

広がるきっかけとなります。

グループホームでは、本人の気持ちや尊厳を尊重しますし、

役割を持てるような支援を行って、自立や生活の質向上を図っていきます。

また、本人がその場で選んで購入できる買い物の場のような環境があると、

ご本人が選ぶ楽しさや喜びを実感でき、生活の質が向上していきます。

多くの施設スタッフが、柔軟な対応で入居者の自己決定を支えることが、

尊厳の尊重と自立支援につながることを知っていると思います。

 

『できることを大切にする暮らし』

グループホームでは、「自分でできること」を大切にしています。

認知症になると「何もできなくなる」と思われがちですが、

実際には、支援があれば自分でできることがたくさんあります。

たとえ、認知症に対する気持ちの落ち込みがあったとしても、

家事や日常のちょっとした作業を「スタッフや新しい仲間と

一緒にやってみる」ことで、自分でも自身の存在価値を

徐々に実感でき、生きがいにつながるようにもなるのです。

 

『グループホームでの生活で大事にしていること』

グループホームという場は、誰にとっても初めての環境です。

なので、すぐに順応できるとは限りません。

そこでスタッフは、入居者が1日でも早く安心して過ごせるよう、

さまざまな工夫を重ねています。

そのうちの一つが、「慣れ親しんだ物を持ってきてもらうこと」です。

多くのグループホームで、介護用ベッドやエアコン、照明器具といった

基本的な設備を備え付け、それ以外の家具や寝具などを入居者に

用意してもらっています。

その際、できる限り自宅で使用していた「使い慣れたもの」を

持ち込んでもらえるよう、ご家族にもお願いします。

 

新しい家具をわざわざ用意されるケースもありますが、

身の回りのものがすべて新しくなると、不安を感じる可能性があります。

それを防ぐためにも、たとえば、長年使っていたタンスや椅子などを

持ち込んでもらい、視覚的に「自分の部屋」と実感してもらうのです。

こうした工夫で、新しい環境にもより早くなじんでもらえるようにします。

また、スタッフは、居室にお伺いする際に「〇〇さんのお部屋に

入らせていただきますね」などと必ず声をかけます。

これも入居者の尊厳を守る工夫です。

 

おわりに

小さな工夫の積み重ねが、入居者の方にとって安心感につながることを、

施設のスタッフは信じています。

目指すのは、入居者の方が心から「ただいま」と言える場所であること。

温かい居場所づくりへの努力がきっと今日も、続けられていると思います。

なお、ケア21も都市圏を中心に全国91ヶ所のグループホームを

運営していて施設での暮らしはいつでも見学可能です。

希望される方はケア21施設受付センター(℡:0120-944-821)へ

気軽にご連絡ください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ケア21の「介護なんでも相談室」は、介護に関するお悩みをお持ちの皆様からのご相談を、簡単な登録のみで無料でお受けします。

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執筆・監修者

相談員

福田さん

相談員

福田さん

【経歴】

施設で介護職として従事し、有料老人ホームやグループホームで施設長を経験してきました。

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メール、LINEでのご相談は、24時間受け付けています。
電話でのご相談は、平日の9:00~18:00の時間帯で受け付けています。