2024.07.12

高齢者の難聴:放っておくと認知症の発症リスクも! 早期発見・早期対策のすすめ。

高齢者の難聴:放っておくと認知症の発症リスクも! 早期発見・早期対策のすすめ。

最近、高齢のご家族がテレビの音を大きくし始めた、聞き返しが多くなった、などが気になっていませんか? もしかしてそれは、「加齢性難聴」かもしれません。 難聴は放っておくと日常生活に不便や危険が生じ、認知機能の低下にもつながりやすくなります。早期に発見して、対策をとることをおすすめします。

加齢性難聴とは

 耳の中の構造は、外耳、中耳、内耳という3つに分けられます。 

 

この構造から難聴が起こる仕組みを見てみると、①外耳や中耳でのトラブルで、音がうまく伝わらない「伝音難聴」、②音を感じる内耳の細胞や神経、脳の障害などによって、音そのものの感知が難しくなる「感音難聴」、さらに①・②が合わさった③「混合性難聴」の3種類があります。

 

そして「加齢性難聴」は、加齢による老化で音を感じる働きをする内耳の細胞が壊れ、なくなっていく、あるいは感じた音を脳に伝える神経回路に障害が起き聞こえづらくなるので、②の感音難聴に当たります。

症状としては「小さい音だけでなく、特に高い音が聞こえにくい」、「音はきこえても、言葉を聞き取ることが難しい」、「耳鳴りがある」などがあります。

加齢性難聴は治すことが難しいとされ、対策としては補聴器で「聞こえ」を補うことが推奨されています。

 

一般に、65歳ごろから主に加齢性の難聴の人が増え、70歳以降は男女とも半数以上が難聴になるとされますが、「歳のせいだから」と聞こえにくさをそのままにすると、さまざまな影響が出てきます。

 

1.難聴による影響

 難聴の人は、周囲の音が入ってこないために状況や様子が分からず、事故に遭いやすくなります。

とくに加齢性難聴では高音が聴こえづらいため、家庭にある家電やガス器具などの、電子音による警告アラームに気づかないことがあります。
また、緊急通報等にも気づきにくくて災害時の対応が遅れ、必要な支援を受けられなくなる可能性があります。

 

また、音は聴こえていても、言葉としての聞き取りが難しくなることが増えるので、他者との会話やかかわりを面倒に感じたり、おっくうに思うこともあります。何度も聞き直す、聞き間違えることで、自身や周囲への苛立ち、恥ずかしさを感じ、人との交流を避けてしまう人も少なくありません。

それはやがて、外出を避ける閉じこもりや孤立につながりますし、体力的にも筋力の低下、認知機能の低下をまねきやすくなります。

 

2.難聴のサイン

 加齢性難聴は少しずつ進行するので、一人暮らしの人や高齢者のご夫婦は、暮らしの中で気づくことがなかなかできません。「自分で、聞こえていない音があるかどうかに気づく」というのは、とても難しいことなのです。
ですからたいていの場合は、身近な人から指摘をうけて気づくことが多いようです。

ご自身や周囲の大切な方に次のような「難聴のサイン」があれば、恥ずかしがったりせずに耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

*会話をしているときに何度も聞き返す、または聞き間違えることが多くなった。
*洗濯機や炊飯器など電化製品のお知らせ音、時計や体温計のアラーム音に気づきにくい、気づかない。
*テレビをいつも大音量にするようになった。
*耳鳴りがある。
*話し声が大きい。

 

3.難聴への対応


【早期対応】

耳の聞こえが悪くなったと感じたら、早目に耳鼻咽喉科を受診しましょう。

高齢者の難聴の原因のすべてが加齢とは限りません。
早期に適切な治療を受けることで、聴力が改善されることがあります。

聴力検査をしっかり受けて補聴器を使う必要性があると診断されれば、補聴器専門技術者がいる専門店で、補聴器の購入を検討しましょう。

専門店ならたいていの場合「お試し利用」ができるので、補聴器を借りてしばらく試せますし、ご自身に合った聞こえ具合になるよう、細かい調整もしてもらえます。

補聴器の使用を「きっとそんなに効果がない」「年寄り扱いされている」などと感じ、抵抗感をなんとなく持つ人は少なくありません。
また、補聴器の装着がうまくできず、すぐ紛失してしまった等のトラブルもよくあるそうです。
だからこそ、購入するどうか、実際に試しながら検討することが必要なのです。


 加齢性難聴の治療は困難
といわれていますが、補聴器で聴力を補って聞こえを回復させれば、聞こえにくさによる危険性が回避でき、生活も変わります。とはいえ補聴器さえつければ万事解決なわけでもありません。

日々の暮らしのなかで聞こえる音が少なかった人は、補聴器の利用で音がたくさん聞こえるようになると、それらを雑音と感じて違和感をもってしまい、かえって疲れてしまうことがあります。

 

 ですから補聴器を利用し始めてしばらくの間は「補聴器でたくさんの周りの音を聞く」という、トレーニング的な機関が必要となる場合があります。
こうして点から考えて、補聴器を使うことにあまり抵抗がないなら、聞こえない状態に慣れてしまわないうちに、早めに対策することが大切と言えます。

専門店になかなか行けない方は、検査してもらった耳鼻咽喉科、もしくはケアマネジャーや福祉用具専門員にご相談ください。

 

 

【加齢性難聴を予防する】

加齢による聴力の低下を防ぐには、介護予防と同じく、生活習慣や食習慣、運動習慣を改善して健康な生活を送ることが対策の一つになります。

また、大音量の中で過ごすと聴力低下が進む可能性が高くなります。「聞こえないから」とテレビの音を大音量で聞き続けるのではなく、手元スピーカーなどの商品を利用して音量を控えるよう工夫しましょう。

 

難聴への対策で何より大切なのは、早期発見・早期受診です。
ですから50代以降などある程度の年齢になってきたら、健康診断や耳鼻咽喉科受診の機会を利用し、ご自身で年1回程度の聴力検査を習慣化することをおすすめします。

 


参照:

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会

https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/#age_related_hearingloss

日本老年医学会 高齢者の難聴-増田正次

https://jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/review_51_1_1.pdf

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

管理者

竹本さん

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