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2025.02.28
高齢者の外出手段「訪問介護タクシー」「福祉タクシー」とは
昨今の厳しい寒さや暑さの中、外出や通院がつらい方が増えています。また、足腰の衰えで歩行に補助・介助が必要になったり、運転免許の返納などで、外出の機会が減る方もいます。高齢者が利用できる車での移動サービスに「訪問介護タクシー」と「福祉タクシー」がありますが、この二つの違いがよく分からない方も多いので、今回は各サービスの特徴と違いを簡単にご説明します。
最近はタクシーをスマートフォンやパソコン(一部は未対応)などから予約するアプリが普及し、乗車予約が簡単にできるようになりました。また、アプリシステムの導入や人件費削減等の理由で、電話予約のできるタクシー事業所が減りつつあるようです。
高齢者のスマホ所持率は上がっていますが、高齢者にとって、スマホの操作やアプリの利用は決して「お手軽」とは言えません。
従来の「走行中の空車を見つける」方法だと、雨の日や気温が厳しい日に空車が通らないことがあります。
また、自宅前の道に車があまり通らない場合、交通量の多い道までタクシーを探しに行く人もいますが、時間帯によっては以前に比べ「予約」表示のタクシーが増えたようです。
空車を見つけるのが難しくて、通院等で一般タクシーを利用しづらくなった、という声もあります。
さらに、歩行器や車椅子を利用している高齢者の中には「車のトランクへ歩行器や車椅子を『積んで』とは頼みにくい」と言われる方や、車の乗り降り自体が辛い方もおられます。
そんな時に便利なのが「訪問介護タクシー」と「福祉タクシー」です。どちらも高齢者の移動をサポートしてくれるサービスで、内容や利用条件に違いがあります。
訪問介護タクシーは乗客を目的地へ運ぶだけでなく、介護が必要な人(要介護者)が安全・快適に移動できるよう、移動の際に必要な介助を、介護保険サービス(通院等乗降介助など)として提供しています。
介護保険を利用した訪問介護サービスの一つですので、対象者や利用目的が限られます。
【どんな人が使える?】
要介護1以上の認定を受けている人。訪問介護サービスの規定により、原則、要支援の人は利用できません。
【どんな時に使える?】
病院への通院、入院、退院、行政機関での手続き、メガネや補聴器など本人が店舗で調整する必要がある買い物、選挙の投票など。日常生活上または社会生活上、必要と認められる行為に伴う外出等で利用できます。
【どんな人が運転・介助してくれるの?】
乗務員は、介護に関する専門資格(介護職員初任者研修以上)を持っています。乗り降りの介助や移動介助で専門的な支援が受けられるので安心です。
【どんな車で送迎してもらえるの?】
車いすやストレッチャーに対応した車両、乗降用リフトがついている車両、普通のセダンタイプの車両などさまざまです。事業者によって、所持する車の種類や台数が違います。
車椅子対応の車があっても、台数が少ないと予約がすぐに埋まってしまい、 あまり利用できないこともあります。利用予約をする際は、どのような車での対応が可能か、しっかり確認することが大切です。
【費用はどれくらい?】
訪問介護タクシーの料金内訳
(運賃)・・・全額自己負担
*通常は、一般のタクシー料金と同じ体制であることが多いようです。
地域や事業所によっては、初乗り料金の設定が違ったり、距離・時間・その併用など加算ルールが違うことで金額が変わります。
*訪問介護タクシーの利用は、事前にサービス担当者会議を行い、訪問介護タクシーとしての契約書を交わすことが基本となるため、契約前に料金システムなどを細かく確認できます(わからないことを、事業者やケアマネジャーに確認できます)。
(介助料金)・・・基本的に介護保険適用(負担割合は1割~3割)
*乗降の介助、移動介助、受付、薬受取など、介助に関しては原則、介護保険が適用されます。
*通院や外出でどのような介助が必要かは、事前のサービス担当者会議で検討されます。また、介助内容によっては別途、料金が必要な場合もあります。
(その他)・・・車いすやストレッチャーなどを借りる必要がある場合は、別途、レンタル料がかかります。
【注意】
* 訪問介護タクシーは、介護保険サービスの一つであるため、必ず、ケアマネジャーが作成するケアプランにそのサービスが記載される必要があります。そのため、利用するなら事前予約が基本となります。また、定期受診が確定しているなら、ある程度先の期間まで、複数回の予約ができます。
* 原則、家族は同乗できません。
福祉タクシーは、社会福祉を目的とした民間の事業者が行うサービスで、高齢者や身体が不自由な方など、公共交通機関の利用が難しい方なら誰でも利用できます。
ただし、福祉タクシーから提供されるサービスに関しては、高齢者でも介護保険制度は利用できないので注意が必要です。
通院や買い物、レジャーや旅行など、さまざまな目的で、要介護認定の有無に関わらず利用することができます。また、家族も同乗することができます。
乗務員は介護の専門資格の取得を義務付けられていませんが、事業者によっては介護資格を取得済の乗務員が存在します。また、車いすやストレッチャー対応の福祉車両を用意しているところも多く、安全に乗降・移動できます。
福祉タクシーは利用目的が広く、より手軽に利用できると言えます。介護保険が適用されない分、訪問介護タクシーよりは料金が高くなります。
【福祉タクシーの料金内訳】
(運賃)・・・全額自己負担
距離制運賃もしくは、時間制運賃、
またはその両方の併用運賃制
(介助料)・・・全額自己負担(介護保険は適応不可)
*基本介助料
乗降時の介助や、車内での簡単な介助にかかる料金
*特殊介助料
階段介助や、特別な介助が必要な場合にかかる料金
*その他
(その他の料金)・・・全額自己負担
*迎車回送料
指定場所まで迎えに行く場合の料金
*深夜・早朝割り増し
深夜や早朝に利用した場合の加算
*機材使用料
車椅子やストレッチャーなどを使用した場合にかかる料金
など
【注意】
*料金は地域や事業者によって変わります。
*特に福祉タクシーは、事業者によって料金やサービスの質、対応が大きく違ってきます。
できればケアマネジャーや地域包括支援センター、主治医などの専門家に、なじみの福祉タクシー事業者がないか聞いてみていただくといいと思います。また、近所の知り合いなどに確認されるのもおすすめです。
個人で開業しているところでも同業者のネットワークをもっていて、対応ができない時に他の事業者を紹介してもらえることもあります。
もともと親切・丁寧な対応で評判の事業者なら、やはり同様の良い対応をしてくれる事業者を紹介してもらえることが多いようです。
訪問介護タクシーと福祉タクシーは、どちらも高齢者の移動を支える重要なサービスと言えます。
いろいろな違いはありますが、単純に料金の違いや契約の手間などを理由に、どちらが良いかを決めることはできません。大切なのは「それぞれの違いを理解したうえで、その時の自分の状況や目的にあったサービスを選べる」ことでしょう。
例えば、要介護1の認定を受けている方の場合、用途に合わせて使い分ける方法もあります。
「定期受診など介護保険の範囲での利用」は、訪問介護タクシーを利用して、しっかり介助を受けつつ費用を抑える。
そして旅行やイベント、食事などの「自由な外出」では福祉タクシーを利用して、自分のペースで行動し、かつ時間を楽しむ、といった形です。
なお、障がい者手帳をお持ちの方は、タクシーの運賃の割引を受けられます。自治体によっては、障がいの程度によって、福祉タクシー(リフト付きタクシー)給付券などの補助が受けられるところもあります。
手帳によるタクシー運賃割引と給付券は併用が可能で、給付券の補助は、お住まいの地域(自治体)によって制度が違います。まずは役所の窓口もしくはケアマネジャー等にご確認ください。
ご自身に合う移動手段を選んで通院やお出かけの負担を減らし、ときには自由に移動するなど、いろいろなサービスや制度を上手にご利用いただければ幸いです。
参照
ハートページナビ:介護タクシーを利用するには?介護保険適応の条件や料金、サービス内容とは
https://www.heartpage.jp/contents/magazine/04-00082
鴻上市:介護報酬の取り扱い/介護サービス関係Q&A/通院等乗降介助Q&A
https://www.city.katagami.lg.jp/material/files/group/8/tuuintoujoukoukaigoqa.pdf
厚生労働省:介護保険最新情報 Vol.934 第2の2訪問介護費(7)「通院等乗降介助」の単位を算定する場合④
https://www.mhlw.go.jp/content/000763179.pdf
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