2025.08.01

病の原因にもなり得る脱水症について    ~水分はしっかり飲めていますか?~

病の原因にもなり得る脱水症について    ~水分はしっかり飲めていますか?~

私たちが生きていくために「水」は必要不可欠で、体内での量が足りなくなると脱水症を引き起こします。脱水症ではめまいや食欲不振といった症状が現れ、悪化すると熱中症など危険な病気につながります。今回は、脱水症の症状やチェック方法、予防法についてご紹介します。

脱水症状が起きるときの、私たちの身体の状態

 

人間の身体の約60%は水分でできています。体内の水分量は、5%を失うと脱水症や熱中症などの症状が現れます。そして、10%失うと筋肉のけいれんや循環不全などが起こり、20%の不足で死に至ると言われています。

 

また、私たちの身体は体温が上がった時、自然に汗を出すことで、体温を下げようとします。しかし大量の汗が出た時に何も補給しないと、身体に必要な水分や塩分が足りなくなり、脱水状態となります。

 

このように脱水とは、体内の水分量が正常値以下になった状態です。脱水状態は熱中症、脳梗塞、心筋梗塞など、さまざまな健康障害の「リスク要因(症状や病気を引き起こす原因となり得るもの)」でもあります。中高年に多い脳梗塞・心筋梗塞なども、水分摂取量の不足が、大きなリスク要因のひとつとなっています。

 

脱水が原因で起こる、こうしたさまざまな健康障害、重大事故などを防ぐために大切なのが、こまめな水分補給です。少なくとも起床時と入浴の前後、寝る前には必ず。そしてその合間の「のどが渇く前のひと口」で、水分補給を心がけることが重要です。

高齢者はとくに、若い頃より体内の水分量が減少しているうえ、のどのかわきを感じにくいのです。それゆえ水分補給が十分にできないことがあり、脱水症状を起こしやすくなります。

 

 

脱水症を、身体の外側から確認する方法は?

 

自身や周囲の人が脱水状態かどうかは、一般的に次のような方法で、まずは確認できるとされています。

 

①手を握る ⇒ 冷たければ疑わしい

②舌を見る ⇒ 乾いていたら疑わしい

③皮膚をつまむ ⇒ 皮膚が、つままれた形から3秒以上戻らなければ疑わしい

④手の親指の、爪の先を押す ⇒ 赤みが戻るのに3秒以上かかれば疑わしい

⑤脇の下を確認 ⇒ 乾いていたら疑わしい

 

 

また、厚生労働省のホームページには、身体の水分量を尿の色でチェックできる、以下の表が掲載されています。

上記①~⑤やこの表を参考にして、ご自身やご家族の方の現在の状態を、定期的に確認することもおすすめです。

 

※出典:厚生労働省 『隠れ脱⽔症』の⾒つけ⽅

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001088385.pdf

 

 

高齢者向けの、脱水症状の予防策は?

 

ここからは高齢者向けの情報を中心に、脱水症状やその予防策をもう少し詳しくご説明します。

 

高齢者に多い脱水症の原因

 

高齢者の脱水状態は主に、次の3つの原因によって引き起こされるとされます。

 

1.水分の摂取不足 

高齢者はのどがかわいたことを自分でわかりづらく、意識的に水分を摂取しないことが多い

2.体調不良 

嘔吐や下痢、発熱などが続くことで、脱水症状が進行しやすい

3.利尿薬の使用 

高血圧等の治療で利尿薬を服用している場合は、体内の水分が失われやすい

 

脱水症の症状のまとめ

 

脱水症状になると、以下の症状が現れます。

 

 

また、病気の治療中にも、先に挙げた利尿薬の効能や医師の指示などの都合で、脱水症状に気をつける必要が生じます。少しでもおかしいなと思ったら、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

高齢者向けの脱水症予防策

 

脱水症状を予防するためには、定期的に水分を摂取し、特に暑い日や運動後には意識して水分を飲むことが重要です。脱水症状が進行すると危険なレベルの健康問題を引き起こす可能性があるため、早期の対策を取りましょう。

 

具体的な対策例
・暑さを避けられるような服装をする(身体に熱がこもらない服装)

・外では、帽子や日傘などで直射日光を避け、風通しの良い場所にいる

・室内では、クーラーなどを利用して気温や湿度をしっかり下げる

・医師の指導以外で、食事や飲み物を勝手に制限しない。

・食事が食べづらい、水分が飲みづらいときは、量を小分けして、こまめにとるよう意識する

・寝る前、起床時、入浴の前後など、水分と電解質の働きをするものを補給する(経口補水液など)

・のどがかわく前に定期的に水分をとる

・(医師の指導に合わせたうえで)好きな飲み物を飲む

 

現在、治療中の病気がある人は、医師への事前確認が必要です。自身に合う予防策を、なるべく早めに医師へ確認されておくことをおすすめします。

 

 

最後に

 

脱水症対策でこまめに水分をとる方法として、半日分くらいの飲み水を清潔な飲料容器*1に入れ、午前と午後のそれぞれで摂取した水分量を「見て確認」できるようにするのも効果的です。

努力が目に見えると、習慣として続けていく励みにもなります。

季節が変わり、寒くなるとさらに摂取する水分量が減りやすくなると言われます。そうなる前に、ご自身に合った「こまめな補給方法」を見つけましょう。

気温が高いときには水や白湯などを少しずつとることへ、あまり抵抗を感じないはずです。気候も上手に利用しながら、無理のない予防習慣をぜひ身につけていただければと存じます。

注:

*1) 飲み物を入れた後の重さを考えて、持ち手がついた軽めの容器を使いましょう。透明で目盛りが付いているタイプならさらにおすすめです。

 

 


 

参照:

一般社団法人 日本救急医学会 「脱水 一般社団法人 日本救急医学会一般向けホームページ:用語委員会」

https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0622.html

 

環境省 「健康のため水を飲もう」推進運動

https://www.env.go.jp/water/water_supply/nomou/index.html

 

NHK きょうの健康  「脱水症状とは?熱中症などの関連する病気や症状、予防法」

https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/blog/bl/p92Kj48qlx/bp/p01o5K1qPV/

 

大塚製薬工場 経口補水液オーエスワン(OS-1)

https://www.os-1.jp/

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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執筆・監修者

ケアマネジャー

松岡さん

ケアマネジャー

松岡さん

【経歴】

施設での介護職・居宅支援事業所と施設でのケアマネを経験してきました。

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