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2025.09.19
日常生活に影響する「低栄養」── 食事の工夫で元気を守る
「最近、体重が減ってきた」「食欲がわかない」「風邪をひきやすくなった」……。 こうした変化の背景には、「低栄養」の問題がひそんでいるかもしれません。低栄養とは、身体を動かすためのエネルギーや、筋肉、免疫力を支えるたんぱく質などが不足している状態を指します。特に高齢者で多く見られ、気づかないうちに日常生活へ支障をきたすこともあります。今回は、低栄養の現状とその対策について考えてみます。
厚生労働省が毎年、実施している「国民健康・栄養調査」によると、65歳以上の高齢者で低栄養とされた人の割合は、令和5年で男性12.2%、女性22.4%でした※1。年齢を重ねるごとに割合は高くなっているため、低栄養は「誰にでも起こり得る身近な問題」と言えるでしょう。また、身長と体重から計算できる「体格指数(BMI)」の値が、20㎏/㎡以下だと低栄養の可能性があります。血液検査の「アルブミン値」では、3.5g/dl以下の場合に注意が必要。「少しやせてきたかな?」と感じたら、健診や検査の結果を振り返る習慣をつけると、早めの対策が可能となります。
※1) 出典: 厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r5-houkoku_00001.html
低栄養が続くと、身体のあらゆるところに影響が出ると言われています
・体重の減少(食事量が減ったり、食べなくなったりする)
・筋力減少による運動機能の低下(ふらつきから転倒・骨折という可能性が高まる)
・嚥下機能(えんげ きのう・食べ物や飲み物を飲みこむ際の身体の仕組み)の低下
(むせたりせき込んだり、飲み込みにくさを感じる)
・免疫力の低下(風邪や感染症などにかかりやすくなる)
・投薬による副作用の出やすさが高まる(さらに食欲低下を引き起こす)
・脱水症状が起こりやすくなる(体内の水分量が減りやすいため)
・認知機能の低下(低栄養ほど認知能力が低くなるとされる)
これらは「年齢のせい」と思われがちですが、低栄養が関係しているケースも少なくありません。しかも、例えば転倒による骨折は、その後の日常生活に長く大きな影響が出ます。低栄養を放置しないことが、自立した生活を守るための第一歩です。
また、高齢者の食生活の傾向で考えて、次のような点が低栄養を招きやすいと言えます。
・好きなものばかり食べがちになる
同じ食品に偏ると、どうしても栄養バランスが崩れます。
・お腹があまり空かない
加齢より代謝が落ち、食欲がわきにくくなることがあります。結果として食事量や回数が減り、低栄養につながりやすくなります。
・体調や薬の影響
服薬の副作用で食欲が低下することもあります。これも見逃せない要因です。これらがちょっとずつ積み重なっても、低栄養を招くことになります。
では、食事の際に気をつけることができる「低栄養の予防策」には、どのようなものがあるでしょうか。以下に例を挙げてみます。
・調理法を工夫
食べ物をかむ力や飲み込む力が弱くなってきたら、食材を小さく刻む、とろみを付けることで食べやすくなります。最近は「やわらか食」や「ムース食」といった加工食品も増えています。
・間食を取り入れる
1日3回のしっかりした食事が難しい場合は、1日5食にしてみるなど、少量ずつこまめに食事をとるのはいかがでしょうか。また、ヨーグルトやプリン、チーズなど、不足しがちな栄養素(上記の食品なら、たんぱく質や脂質)を間食で補うのもおすすめです。
・宅配弁当を利用
栄養バランスや塩分量を考えた高齢者向け宅配弁当は、自炊が負担になってきた方にとって心強い味方です。週2~3回の夕食分から、など、少しずつ弁当食に慣れていくやり方もあります。
・栄養補助用品の摂取
ドリンクタイプやゼリータイプなど、手軽にとれる補助食品が市販されています。主治医と相談しながら食生活へ取り入れると安心です。
低栄養対策の基本は「量より質」です。無理に食べるのではなく、好みに合わせて「どうすればおいしく・楽しく食べられるか」を工夫することが大切です。家族で一緒に食卓を囲むことも、食欲を出す大切な要素。会話や笑顔は「少し食べてみよう」という気持ちも引き出します。食事は栄養だけではなく、心の活力にもなります。小さな工夫を積み重ねて、毎日の暮らしに元気を取り戻していきましょう。
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参考文献:
長寿科学振興財団 高齢者の低栄養について
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/tei-eiyou.html
一般社団法人臨床栄養医学協会 低栄養の問題点・ポイント
https://eiyoigaku.or.jp/blog/nutritional-guidance-for-the-elderly
厚生労働省:高年齢の低栄養予防について
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/information/food/e-02-014.html
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